【南北海道】センバツ出場の駒大苫小牧、3か月ぶりエース・大西復帰で逆転発進

スポーツ報知
9回から救援し、三者凡退で締めた駒大苫小牧の大西

◆全国高校野球選手権 南北海道大会室蘭地区 ▽Aブロック2回戦 駒大苫小牧5-2苫小牧東(28日・とましんスタジアム)

 小樽地区が開幕し8地区22試合が行われ、昨秋と今春の全道王者がそろって逆転発進した。室蘭地区では、今春のセンバツに出場した駒大苫小牧が苫小牧東に5―2で勝利。右大腿(だいたい)骨疲労骨折から復活したエース右腕・大西海翔(3年)が、最終回に登板し3者凡退に封じた。

 帰ってきたエース・大西の存在が、駒大苫小牧ナインに逆転の力を与えた。2―2の6回1死一、三塁。「もう1回、大西が投げて甲子園に返り咲きたい」。1番・白田悠祐(3年)の思いがこもった白球は左翼手の頭上を越えた。この試合初めてリードを奪う走者一掃の2点二塁打。「短いイニング行くから肩を作っておけと言われてた」。ベンチの背番号1は、ナインの思いを感じ取りアップのペースを速めた。

 やっと戻って来た。公式戦の登板は8回7失点で初戦敗退したセンバツの静岡戦(3月24日)以来、約3か月ぶり。「緊張したけど、いつも通り投げられた」。9回から救援。最速139キロの直球を軸に3人で抑え、11球の復活劇を飾った。「涙が出そうになりました。ケガ明けですけど、エースは大西」。佐々木孝介監督(31)も右腕の帰還に目頭を熱くした。

 センバツ大会後の練習中に、右大腿骨の疲労骨折が発覚した。全治1か月。今春はベンチ入りすらできなかった。投球できない時期が続く中、出来る範囲のリハビリを黙々とこなし、6月の練習試合で実戦復帰。夏の初戦に間に合わせた。

 右腕が帽子のつばに記した言葉は、1学年上のエース・工藤稜太(現東海大北海道)から受け継いだ言葉「強心臓」と「感謝」。「ベンチや支えてくれる人に向けて。両親にも迷惑をかけた。センバツが悪かったので(甲子園に)忘れ物を取りに行きたい」。ケガの間、支えてくれた方への感謝を胸に―。雪辱を期すエースの最後の夏が始まった。(秦 雄太郎)

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