健大高崎・山下、対外試合解禁いきなり72号

スポーツ報知
3回無死、左越えへソロ本塁打を放つ健大高崎・山下(カメラ・森下 知玲)

◆練習試合 高崎健康福祉大高崎12x―10松商学園(30日・高崎健康福祉大高崎グラウンド)

 部内暴力による1か月の対外試合禁止処分を受けた今春の関東大会優勝校・高崎健康福祉大高崎(群馬)が30日、練習試合を再開した。プロ注目の山下航汰左翼手(3年)が、左越えへ高校通算72号本塁打。広島・高山健一スカウト(46)の長男・遼太郎三塁手(3年)がサヨナラ弾を放ち、昨夏甲子園出場の松商学園(長野)を下した。1日には東西東京大会の開会式(神宮)が行われる。

 高く舞い上がった山下の打球は、そのまま左翼フェンスを越えた。4点を追う3回先頭。松商学園のプロ注目右腕・直江大輔(3年)のスライダーを、逆方向へ運んだ。「レフト方向を意識して練習してきた。ホームランという結果が出て良かった」。優勝した春季関東大会決勝・日大三戦以来の高校通算72号に、充実した表情を見せた。

 4試合で39得点と強打で春の関東王者に上り詰めたが、大会直後に下級生の部内暴力が発覚。5月24日から1か月の対外試合禁止処分を受け、この日は約1か月ぶりの練習試合だった。青柳博文監督(46)は「根本的な考え方や野球以外の日常生活の甘さが、こういう状況を招いた。きょうは野球が出来る喜びを改めて感じた」と語った。選手間でもミーティングを開き、私生活から徹底することを確認した。山下は「もうこういう事が起こらないようにしよう、と話し合いをしました」と話した。

 土日に行ってきた紅白戦で、自分自身と戦ってきた。「アウトコースを打てなかった。レフト方向へのバッティングを意識するようになった」。普段より短いバットを振ったり、左手一本で押し込むことを意識して練習に励んだ。実戦感覚を養いつつ、自らの課題を見つけて克服に努めた。

 智弁学園・岡本和真(現巨人)の高校通算73本へ「あと1」。群馬大会は7日に開幕し、チームは8日の初戦で、館林商工と対戦する。「甘い球を一発で仕留められるように。強くたたいていくバッティングで」と気合は十分。1番打者・山下のレベルアップこそが、健大高崎を甲子園へ導くカギとなる。(森下 知玲)

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