プロ20年目42歳・上原、今年で引退「節目で終わるのが一番きれい」

スポーツ報知
野球教室で子どもに指導する上原(カメラ・山口 泰史)

 米大リーグ・カブスからFAとなっている上原浩治投手(42)が20日、今季限りで引退する可能性を示唆した。巨人OBの鈴木尚広氏(39)と共に、福島市内のあづま総合体育館で行われた「ふくしまベースボールドリーム beyond 2020 上原浩治・鈴木尚広野球教室」に参加。イベント中に自身の去就に触れ、「今年契約があったら、ほぼ90%以上の確率で辞めるつもりです」と語った。

 注目の去就について、上原は自ら語り始めた。イベント冒頭から「もう1年やりたい」、「就活中」と現状を説明。最後のトークコーナーで夢について聞かれると「夢イコール目標と考えてるんで。今の目標は今年もう1年やりたいという思いで、自主トレもやってるんで、それに向けて頑張りたいなと。今年もし契約があれば、それでほぼ90%以上の確率で辞めるつもりですから。とにかく今年1年」と引き際を口にした。

 節目のシーズンにかける思いは強い。「去年からそういう思いはありましたし10年、10年という節目で終わるのが一番きれいだと思う。今年メジャー契約があっていい成績を収めて、声がかかればまた考えることになると思いますけど、今のところ今年1年ということしか考えてないんで」。巨人で10年間プレーし、メジャーでは4球団で9年間プレーした。日米でそれぞれ10年以上プレーしたのは松井秀喜氏だけ。節目のプロ20年目に全力投球する考えだ。

 現段階ではメジャー一本で考えている。「(マイナー契約も視野?)いや、マイナーだったら辞めます。(復帰も)今のところは考えてないんでね、日本というのは。お誘いもないので」。昨季はカブスで中継ぎとして49試合に登板し、3勝4敗2セーブ、14ホールド、防御率3・98。メジャーからのオファーについては「何個かありますけど、契約まで至ってないんで。もうちょっと辛抱かなと思ってます。見えてきそうで、きてないかな。本当に分からない状態ですね」と複数球団との接触を認めながらも、決定はしていない現状を説明した。

 この日は野球/ソフトボールで東京五輪の舞台にもなる、福島・あづま総合運動公園内で元巨人の鈴木尚広氏と共に野球教室に参加した。子どもたちへ「そう簡単に、あきらめるなということですよ」とメッセージを送った42歳。最後になるかもしれない働き場所が決まるまで、前だけを見据えて粛々と準備を整えていく。(山口 泰史)

 ◆上原に聞く

 ―毎年、復興を願って福島で野球教室を開いている。

 「今年で6回目。この6年間、毎年いろんなところに来させてもらって感じることは、みんながどんどん明るくなってるということ。子どもたちのいい笑顔を見られて、やってよかったなというところですね」

 ―過去に2度出場しているオリンピックについて。

 「経験すると、もう1度出たいなという欲が出る。もう1回本当はやりたいんですけど、年齢的にアウトかな。(東京五輪に出場する可能性は)ほぼゼロに近いですね。もうちょっと体が、ガタがきてるんで」

 ―来季の契約がまとなりそうだなという手応えは?

 「やっぱり契約しましたという、その判を押さないことには、言葉だけでは信用というのはできない。(体は準備万端?)そのつもりで、ずっと練習してます」

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