厳冬メジャーFA戦線、選手会キャンプも完全シャットアウト

スポーツ報知
この先には入れない。警備員が身分証明書をチェックする玄関口  IMGアカデミー フロリダ州ブラデントン

 大リーグのフロリダキャンプのメディア・デーが15日(日本時間16日)、セントピーターズバーグで行われ、マンフレッド・コミッショナー、フロリダ州でキャンプを張る15球団の首脳陣らが出席した。

 167選手がFAとなった今オフ。キャンプ初日を迎えても、約90人のFA選手の移籍先が未定という歴史的な停滞市場となった。最近3年間54勝した先発投手のアリエッタ(前カブス)や、昨季45本塁打したJ・D・マルティネス外野手(前Dバックス)ら筆頭に大物FAが契約に至らず、市場が凍結した状況に、選手会は「球団は金を出し渋っている。勝つ気がない」と批判したが、同コミッショナーはこの日、「市場が価値を決定するのは自然の摂理。総年俸はリーグ収益に比例して上昇している。球団事情で若手育成に時間を要する場合もあるが、勝利を目標とした過程であることは確か。球団はオファーしているし、“未契約”と“無職”は違う。時期はズレ込むかもしれないが、最終的には契約に至ると思う」と楽観的な見解を示した。

 

 選手会は14日からフロリダ州ブラデントンの大手マネジメント会社IMGの施設で、未契約選手を対象に独自キャンプを実施。テニスのセリーナ・ウィリアムスや陸上、NFL、NBAのプロアスリートがトレーニング拠点とする巨大施設では、報道陣を完全シャットアウトした中で約20人のFA選手が始動。日本人選手では、イチロー外野手、上原浩治投手らベテランFAも影響を受けている。

 

 この日、オリオールズが右腕キャッシュナーをブルージェイズは左腕ガルシアとの契約合意が報じられた。開幕まで6週間。球団も選手側“落とし所”をみつける段階に来ているようだ。

(フロリダ州セントピーターズバーグ・一村順子通信員)

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