大谷翔平、5者連続8Kの快投 「ブルペンでの壁当て」でイニング間調整

スポーツ報知
大谷

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が2日(日本時間3日)、オール奪三振で圧巻の投球を見せた。敵地で行われたブルワーズ傘下との練習試合(2回は2死で終了の特別ルール)で先発し、2回2/3で4安打2失点。打者12人に、5者連続を含む8奪三振とアウト全てを三振で奪った。滑りやすいメジャー球など、課題の払拭をアピールした。

 投手・大谷も問題ない。メジャー二刀流の実現へ、自らの右腕で大きく道を切り開いた。3回2死。最後はフランクリンを、意表をつく114キロのカーブで見逃し三振だ。2回2/3で5者連続を含む8奪三振。オールKで8つのアウトを決める離れ業を演じた。

 「確認することと、やるべきこと。それぞれ大きな収穫があった。それ(奪三振ショー)はそれとして、追い込んでから、ちゃんと投げられるところがあった。3イニング目はカウント球の変化球を制球出来ていた。そこら辺はうまく出来た」。オープン戦前にブ軍の本球場で行われた練習試合。味方の拙守が響き、結果こそ2回2/3で4安打2失点だったが、ストライク率67・3%。投手デビュー戦だった前回2月24日ブルワーズ戦の54・8%から大幅にアップした。滑りやすいメジャー球、傾斜のきついマウンドに対応する課題も解消。ナギー投手コーチは「マウンドや気候にも適応しているし、ストライクゾーンにも対応している」と言う。自らも「ストライクゾーンにはまとまっていたが、真っすぐも変化球も手元での力は足りない。マウンドに慣れてきたのもある。(マウンドの)傾斜は強いけど、正しく投げれば球が行く。練習から取り組むのが大事」と分析した。

 二刀流とはいえ頭の中は投球でいっぱいだった。前回登板後の練習日。ノースローの練習にもかかわらずグラブを持ち込み、「グラブいらなかったな」とロッカーへ引き揚げることがあった。前日は居残りでブルペンの傾斜を使ったフォームチェックと軽めの投球練習。「アリゾナに来て、最初の投球から確実に一歩ずつ前進している。順序よくいいリズムで来ている」と不安を払拭しつつある。

 大リーグではイニング間にベンチ前でキャッチボールが出来ない。この日はブルペンでの壁当てをした。「今日は(ベンチ裏に投球用)ネットがなかったので、ああいう形でやった。自分たちの球場に行けばある。ネットスローをやれれば」。マイナー相手の練習試合とはいえ、確かな自信をつかむ52球となった。(小谷 真弥)

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