マイコラスは4回4安打無失点で先発ローテ入りへ前進

スポーツ報知
巨人時代のマイコラスとローレン夫人、リリアンちゃん

 昨年まで巨人で活躍し、オフにカージナルズへFA移籍したマイルズ・マイコラス投手(29)が9日(日本時間10日)、昨年のワールドシリーズ王者、アストロズとのオープン戦に先発。ワールドシリーズMVPのアルトゥーベ内野手ら、世界一軍団のレギュラー陣が並んだ打線相手に4回を投げて4安打2四球3三振、無失点に抑えて先発ローテ入りへ前進した。

 日本からメジャーへの返り咲き。逆輸入右腕が、真価の片鱗をみせた。

 「1球1球、集中することを意識した。走者を背負った場面で、しっかり狙った所に投げられたのが大きい。自分のボールを信じて投げられたのが良かった」。

 初回先頭のスプリンガーに左前打を許すが、レディックを一ゴロ併殺に。続くアルトゥーベを縦割れのカーブで二ゴロに打ち取った。3回一死一塁はスプリンガーを遊ゴロ併殺に。4回一死満塁のピンチは、マキャンを一邪飛、デービスをスライダーで二ゴロに仕留めて無失点。最速98マイル(約158キロ)をマークした直球、カーブを有効に計68球中45球がストライクだった。試合は逆転負けも、5回を投げて1被本塁打だったリーグ優勝決定戦MVPのバーランダーとの投げ合いに“認定勝ち”した格好だ。

 巨人での3年間で計31勝を挙げ、オフに2年総額1550万ドルでカ軍と契約。先発候補として期待されるが、過去2試合は2被本塁打を含む13安打10失点で防御率19・29。昨年のセ・リーグ最多奪三振王(187)が、ボール球を見極められて苦しんだ。登板間に打撃投手として登板する一方、8年連続ゴールドグラブの名捕手モリーナとも話し合い、ストライクゾーンを修正。この日は外野フライゼロ。ゴロを打たせる新しい投球スタイルで、適応力の高さを発揮した。

 マッシーニ監督も「98マイルの直球と70マイル台の緩急は非常に効果的。いい日だった。我々のテストにしっかり応えてくれた」と、うなずく。近郊の町ジュピター出身の右腕は、ローレン夫人を始め、両家の両親や親戚ら20枚のチケットを用意。家族が見守る中で、黄信号が灯っていた先発ローテ入りに大きく前進する投球をみせた。

 ○…4年ぶりメジャーのマウンドでも、巨人時代のルーチンを継続するマイコラス。ベンチから出る時、グラブを右手に持ち替え、3度腕を降ってマウンドに立つ。「このルーチンは日本で始めた。日本の投球練習は5球だけ(メジャーは8球)なので、3球分、グラブの重さを感じて腕を振ろうと思って始めた。腕が回る感じが気に入っている」

 日本からのメジャー移籍という意味では、エンゼルスの大谷翔平投手と同じ立場。大谷については「非常に興味がある」という。「彼は凄い選手だから、さほど適応で困ることはないだろう。一番大変なのは、中4日登板という日程と移動の多さ。でも、札幌は移動距離が長い方だし、メジャーのリズムに慣れれば、どんどん好転していくと思う」とエールを送った。

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