【ヒルマニア】イチロー、ブランクからの現役復帰は難しい

スポーツ報知
今季、マリナーズに復帰していたイチロー

 「ヒルマニア」は、スポーツ報知でメジャーリーグを担当し続けて40年の蛭間豊章記者が、マニアックなメジャーネタをお送りします。

 メジャー通算3089安打を放ったマリナーズのイチロー外野手(44)が球団の特別アドバイザーに就任し、選手としては今季の残り試合に出場しないことが3日、複数の球団関係者の話で分かった。ベンチ入りの25人枠から外れるが、球団と生涯契約を結んでチームに同行し、練習しながら選手らをサポートする。来季以降は試合出場も可能という。米国時間3日(日本時間4日)に発表されるが、復帰の道のりは容易ではない。

 メジャーでは本人が現役引退を表明しない限り、アクティブとして各種ランキング表に現役として残るケースが多い。それでも一度ブランクがあってメジャーに復帰するのは極めて難しい。

 1984年まで通算268勝して90年に野球殿堂入りしたジム・パーマーは91年、45歳の時に復帰を目指して古巣のオリオールズに招待選手としてスプリングキャンプに参加。オープン戦にも登板したが、衰えが目立って復帰を断念。

 今年もメジャー通算3020安打したラファエル・パルメイロ一塁手が13年ぶりの現役カムバック宣言をしたものの、どこの球団も手をさしのべることなく、そのうわさも立ち消えになった。

 また、メジャー歴代4位の通算696本塁打したアレックス・ロドリゲスは2016年に度重なる故障と不振で、ヤンキースとの契約を1年以上残した8月に球団との話し合いの結果、現役引退をシーズン半ばで表明。契約もあって特別アドバイザーとしてヤンキースに残ったケースもある。

 もちろん、現役最年長でプレーしているバートロ・コローン(レンジャーズ)のように10年に全くプレーしなかったのに、翌年復活したケースもある。今でも現役を続けているが復活したのは37歳だった。

 今年10月に45歳を迎えるイチローが自らカムバックを望んでも、今季のような成績が精いっぱいでは、かつて何人かいた客寄せのために50代で一時的にユニホームを着た特別措置としか考えられない。

 今回の球団の措置は、実質的な現役引退と私は見る。

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