【ヒルマニア】イチロー、来季日本開幕戦がサヨナラセレモニー 殿堂入りに影響は?

スポーツ報知
12年、東京ドームでのMLB開幕戦でアスレチックスのマッカーシー(左)から内野安打を放ったイチロー

 「ヒルマニア」は、スポーツ報知でメジャーリーグを担当し続けて40年の蛭間豊章記者が、マニアックなメジャーネタをお送りします。

 「今季欠場、来季復帰」という今回のイチローへの球団の対処には驚かされるばかりだ。過去の引退、その後カムバックは大物になればなるほど難しい。1984年まで通算268勝して90年に野球殿堂入りしたジム・パーマーは91年、45歳の時に復帰を目指して古巣オリオールズに招待選手としてスプリングキャンプに参加。オープン戦にも登板したが、衰えが目立って復帰を断念している。

 その一方で、現役最年長でプレーしているバートロ・コローン投手(レンジャーズ)のように2010年の1年間をドミニカ共和国のウィンターリーグだけしかプレーせず、翌年復活したケースもある。今でも現役を続けているが、復活したのは37歳だった。

 ただ、今年10月に45歳を迎えるイチローが自らカムバックを望んでも、今季のような成績が精いっぱいでは「?」マークが付く。

 しかし、ディポトGMによると、故障していた正左翼手ギャメルの復帰を見越して、その後をどうすべきか今月初旬に代理人を加えて話し合いを持った。すでに3月の移籍交渉の時点で、イチローがマリナーズの組織に残るというオプションもあったようだ。2018年だけでなく、それ以降も含め、来季以降現役選手としても残れることを示唆したのだという。

 つまり、今季順調にペナントレースを進めているマ軍は、優勝争いに加わるため戦力構想からイチローを外したのが現実。メジャーも注目したエンゼルス・大谷との対戦も、今回の決断の上で検討しなかったことにも表れる。

 その上で来季開催される日本での開幕戦は、ベンチ入りメンバーが移動を考慮して28人になることを見据え、イチローをキープしておきたい。レギュラーシーズンとはいえ、開幕2試合がイチローのサヨナラセレモニー的な要素にもなる。

 ただ、マイナス面も一つある。今年限りで現役引退なら野球殿堂候補者になるのは2024年。1試合でもメジャーでプレーすれば1年遅れることになる。しかし、その1年はイチロー全盛期を知る記者が少なからず減ることによって、確定的とも言われた1年目殿堂入りを逃す可能性が出てくるのも間違いない。

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