エンゼルス大谷、193勝右腕バーランダーから“洗礼”「勉強になった」

スポーツ報知

◆エンゼルス0―2アストロズ(16日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が16日(日本時間17日)、メジャー超一流の洗礼を浴びた。本拠地のアストロズ戦で「2番・指名打者」で2試合連続先発フル出場し、11年サイ・ヤング賞でメジャー通算193勝右腕、J・バーランダーと初対決。4打数無安打3三振と“完封”された。チームも35歳右腕にゼロ封され、首位ア軍と2ゲーム差に広がった。MLB担当の小谷記者は、近い将来に大谷がリベンジすると断言した。

 大谷がバーランダーに完敗した。1試合3三振はメジャー2度目で同一投手には初の屈辱。それでも、試合後はヘコむどころか生き生きとしていた。

 「やっぱり素晴らしい投手。トータルですごく完成されている投手と感じた。いくら払ってでも経験する価値のあるボール。それぐらい素晴らしい投手。個人的にはものすごく勉強になりました」

 やってきた達成感よりも、新たな目標を見つけた時の方が喜びを感じる―。試合後の会見に、大谷の本質を垣間見た気がした。思い出すのが16年10月18日、広島との日本シリーズ4日前だ。日米203勝の広島・黒田博樹が同年限りでの現役引退を表明。練習後、報道陣数人で直撃した。

 「最後の最後に対戦できるのは幸せなこと。『毎試合が引退登板だと思っている』と聞いたことがある。そういう覚悟でやっているのかと。『悪者』になる気がするけど、自分たちのプレーが勝つには必要。必死に食らいついていきます」

 タクシーに同乗する他の選手を待たせ、さらに北海道の冬の訪れを感じさせる肌寒さの中で10分近くの激白。それでも、ずっと生き生きとしていた。2人の対決は2打席連続二塁打。日本一へ欠かせない名勝負となった。

 バーランダーは外角高めへ160キロ近い剛速球、膝元をえぐるスライダー、タイミングを外すチェンジアップ。どれもキレがあり、9回の空振り三振で右腕の通算2500三振とオマケが付いた。

 「いい投手に対しての入り方はすごく難しい。そこを工夫しながら次の打席につなげられなかった。どうプラスにするかで次の結果がだいぶ変わる。そこ次第かなと」

 幼少期は大きなジャングルジムの一番上まで上る。両親はヒヤヒヤだったが、それをしないと気が済まない性格だったという。そんな23歳ならバーランダー撃ちを実現させる。こう信じている。(15、16年日本ハム担当、現MLB担当・小谷真弥)

 ◆バーランダーとは 83年米バージニア州生まれの35歳。04年全体2位指名でタイガース入り。右腕からの160キロの速球とハードスライダーで06年に17勝し新人王。11年24勝、防御率2・40、250奪三振の3冠でMVPとサイ・ヤング賞をダブル受賞。昨季8月にアストロズに移籍し世界一に貢献。今季も開幕から5勝(2敗)、防御率は両リーグトップの1・05を誇る。年俸2800万ドル(約30億8000万円)、夫人は有名モデルのケイト・アプトン。

 アストロズ・バーランダー投手「(大谷は)球にコンタクトするのが非常にうまい。彼のような打撃がうまい投手は見たことがない。すべての野球選手にとって、彼がマウンドと打席に立つのを見るのは大きな楽しみ。けがをしないことを願う。自分がおじいちゃんになった時に『あの(すごかった)選手から2500個目の三振を奪ったんだよ』と言いたいからね」

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