大谷は速球王!ピンチでギアチェンジ163キロ…今季先発投手の球速ベスト5独占

スポーツ報知

◆タイガース6―1エンゼルス(30日・デトロイト)

 【デトロイト(米ミシガン州)=一村順子】エンゼルスの大谷翔平投手(23)が30日(日本時間31日)、敵地でのタイガース戦に先発。1―1で迎えた5回2死二、三塁のピンチで、今季のメジャー先発投手で最も速い時速101・1マイル(約163キロ)で投ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。試合は6回途中にこの日2度目の雨天中断となり、大谷は5回3安打1失点で5勝目を逃した。チームは救援投手が打ち込まれ、1―6で敗戦。また、メジャーの球宴ファン投票には指名打者として候補入りした。

 二刀流ルーキーの剛速球が、また数字を塗り替えた。1―1で迎えた5回2死二、三塁の最大のピンチ。この日最後の1球となった83球目、カンデラリオを投ゴロに仕留めた内角直球は、今季メジャー先発最速の101・1マイル(約163キロ)をマークした。従来は自身が4月24日のアストロズ戦でマークした101・0マイル。今季メジャーの先発の球速ベスト5は全て自身が出したものだ。

 「あの場面で1本打たれるか打たれないかは、大きい。どれ(球種)もよくない中、最終的に何を投げるか考えた時、直球の方が(打ち取る)確率が高いと思った。球速うんぬんではなく、しっかり投げ切れればいいと思った」。勝負どころとにらんだ場面で投じた渾身(こんしん)の1球だった。

 今季は気候温暖な西海岸とドーム球場での登板だけだった。高温多湿なマウンドは初。「自分が思っている以上にあまり体が動かせていなかったのかなと思う。初回から苦しかったけれど、悪いなりにゲームをつくれたのはよかった」。中9日もあってか初回こそ球威、制球力とも本調子ではなく先制点を許したが、3回には内角直球でマルティネスのバットをヘシ折るなど徐々に威力を増した。加えてこの日はカーブも好調。5回の先頭イグレシアスへの初球は渡米後最も遅い70マイル(約113キロ)になるなど70マイル台のカーブを計7球。直球との速度差最大50キロになる緩急で打者を翻弄した。

 しかし、2度の降雨中断に泣かされた。「(中断は)あまり経験がないので…。最初は1時間以上中断するんじゃないかという感じだったので、気持ちも切って、着替えて、2回目の先発に行くんだ、というくらいの気持ちだった」。本拠地を含めドーム球場主流のパ・リーグに在籍していたため、日本での雨天中断の経験は2度。2014年6月の阪神戦(甲子園)、7月の楽天戦(コボスタ)はともに勝ち投手になっている。

 しかし、この日は援護もなく余力を残しての降板で5勝目はお預けとなった。「これから先、(降雨中断は)何回もあるかもしれないので、その時に生きてくればいい。いい経験になったんじゃないかと思う」と前向きな姿勢は忘れていなかった。

野球

×