【DeNA】引退の林、父親が運営の自動車教習所で経営を学ぶ

スポーツ報知
現役引退を表明した林昌範さん

 今季限りでDeNAを退団した林昌範投手(34)が現役引退することが29日、分かった。今年も多くの選手がユニホームを脱いだが、第二の人生を歩み始めた男たちを2回にわたって紹介。1回目のセ・リーグ編は、引退を決断した元巨人の守護神。11月の12球団合同トライアウトに参加したが「もう、自分の思うような球は投げられない」と今後は父親が運営する自動車教習所で経営を学びながら、大学などで野球についての知識を深めるつもり。新たな挑戦にも迫った。

 巨人、日本ハムでリーグ優勝を経験した林が、16年間のプロ野球人生に幕を下ろした。「この2年間、チームの戦力になれなかった。本当に申し訳ないというのが、正直なところですね…」。3年契約の最終年だった今季は2年連続で1軍登板がなく、9月末に来季構想から外れていることを通達された。肩、肘に不安はなかったが、トライアウトでは打者4人に3安打1四球。潔く現実を受け止めた。

 千葉・市立船橋高から01年のドラフト7巡目で巨人に入団。忘れられないのがプロ初登板だ。03年6月28日の中日戦(ナゴヤD)。先発して7回1死まで無安打に抑え、7回1安打無失点と好投した。「最初のチャンスを与えてくださったのが原監督、鹿取コーチでした。今まで出会った指導者の方々には、感謝の気持ちしかありません」。19歳だった若者にとって、全てが財産。「無心で来い」とマウンドで背中を押してくれた阿部にも、ユニホームを脱ぐことを伝えた。

 トレードで渡った日本ハム、戦力外からはい上がったDeNAで通算421試合登板。14年にリリーフ投手では珍しい“12球団勝利”も達成した。今後は父・敬(たかし)さんが自動車教習所を運営している縁もあり、船橋中央自動車学校で経営学を学ぶ予定。「指導者になりたい目標があります。野球そのものの知識や考えの幅を広げたい」と大学院進学も視野に入れている。34歳。第二の人生も全力投球する。

 ◆林 昌範(はやし・まさのり)1983年9月19日、千葉・船橋市生まれ。34歳。市立船橋高から01年ドラフト7巡目で巨人入団。03年8月14日の中日戦(ナゴヤD)でプロ初勝利。08年オフにトレードで日本ハムへ移籍。戦力外通告を経て、12年からDeNAに加入した。通算成績は421試合で22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3・49。186センチ、80キロ。左投左打。家族はフリーアナウンサーの京子夫人と1男1女。

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