【西武】天国と地獄経験の岩尾、打撃投手で恩返し

スポーツ報知
来季からは打撃投手としてチームに貢献する西武・岩尾

 記録と記憶を残してこそプロ。西武の岩尾利弘投手(30)は、その条件にかなう数少ない選手かもしれない。第二の人生を歩み始めた男たちを紹介する企画第2回はパ・リーグ編。全力で挑んだ8年間のプロ生活で右腕が見た「天国と地獄」とは―。

 岩尾の表情はスッキリとしていた。「引退してもいいかなと思った。もう今年ダメだったらと思っていたので、踏ん切りはつきました」。今季、2軍で33試合に登板も1軍での出場はなく、シーズン終了後に戦力外通告を受け、8年間のプロ生活に終止符を打った。

 15年シーズンには中継ぎとして自己最多の21試合に登板。4月12~22日にかけて9者連続奪三振を達成した。4試合にまたがるため参考扱いだが、梶本隆夫(阪急)、土橋正幸(東映)のプロ野球記録に並んだ。「いいときは打たれる気がしなかった」と力強い直球と、得意のツーシームを武器に輝きを放った。

 一方で「突然悪いときがやってくる。野球人生がそんな感じだった」という。14年7月のイースタン・ヤクルト戦では、先発したものの7回19安打13失点の大炎上を経験している。「印象に残っているのは、いいことと悪いことですね」と明るく語れるのも全力を尽くしたからこそだ。

 来季からは打撃投手としてチームに貢献する。「僕は西武が好き。50試合も投げていないのに、チームに8年間もいさせてもらった。恩返しをしなくちゃいけないと思っています」(小島 和之)

 ◆岩尾 利弘(いわお・としひろ)1987年7月20日、大分県津久見市生まれ。30歳。津久見高では甲子園出場なし。別府大を経て2009年ドラフト3位で西武入団。1軍通算48試合で3勝0敗、防御率6・11。179センチ、80キロ。右投左打。既婚。今季年俸は850万円。

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