【楽天】梨田監督「闘将魂」を継承 星野さんの背中追う

スポーツ報知
星野副会長の献花台に立花球団社長(奥)と共に献花する梨田監督(カメラ・川口 浩)

 楽天・梨田昌孝監督(64)が9日、「闘将魂」の継承を約束した。楽天生命パークで行われたスタッフ会議前、4日に70歳で亡くなった星野仙一副会長の献花台の前で約1分間黙とう。近鉄、日本ハムをリーグ優勝に導いた指揮官は、星野副会長に続き史上4人目となる監督として3球団でのリーグV、楽天での初日本一を目標に掲げた。立花陽三球団社長(47)は闘将の男気あふれるエピソードを明かした。

 献花台の前で静かに目を閉じた梨田監督は突然の別れを受け入れられずにいた。

 「本当に亡くなったというのが信じられないし、受け止められない。去年ちょっと痩せられたけど、声は大きかったし、怒られるときの『なにしとんねん!』と言う声は迫力があったので…」

 1年以上前から病と闘っていることも知らなかった。星野副会長からのラブコールを受けて16年から楽天の監督を務めている。昨年8月下旬から10連敗をした際には「怒られるよりも激励してもらった」と心の支えとなっていた。闘将とは違い、感情をむき出しにすることは少ないが、遺志はしっかりと継承していくことを約束した。

 「全てマネできるわけではないけど、少しでも副会長の気持ちを引き継いでチームを引っ張っていきますので見守ってください、と語りかけた。偉大すぎる大先輩。その道をたどっていきたい。3球団目の優勝、日本一と追いかけていきたい」

 3球団でリーグ優勝を成し遂げた監督は三原脩、西本幸雄、星野副会長の3人だけ。01年近鉄、09年日本ハムで優勝した梨田監督はあと一つと迫っている。星野副会長とは2球団目まで日本一を成し遂げていないという共通点もある。

 「昔は鉄拳もあったと聞いている。今の時代はそういうことはないけど厳しい中にも愛情があった。1回失敗しても見捨てず、使い続ける。それに相当救われた人もいるし、僕もその一人。みんなの気持ちはひとつ、一緒だと思う」

 この日、献花台には4707人が訪れ、3日間合計で約1万5000人が別れを惜しんだ。ファンの思いも背負って、梨田監督は歩み始めた。(安藤 宏太)

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