【日本ハム】清宮「わりと振れた」初日から6発サク越え 特大120メートル弾も

スポーツ報知
西日を浴びながら居残りロングティーで打ち込む清宮(カメラ・竜田 卓)

 日本ハムの新人合同自主トレが9日、千葉・鎌ケ谷市の2軍施設でスタートした。ドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実=は、初日から異例の居残り練習を行い、ロングティーでは最長120メートルの特大弾を含む6発のサク越えと、さっそく持ち前の長打力を披露。見守った栗山英樹監督(56)も「振るということに関しての力の大きさはある」と絶賛した。高校通算111発を放った長距離砲が、ド派手な“プロデビュー”を飾った。

 夕日が差し込む鎌ケ谷スタジアムの一塁ベンチ前から、清宮の澄んだ打球音がこだました。ドラフト4位内野手の難波と2人だけ行った居残り練習でのロングティー。清宮が振り抜いた14スイング目だ。慣れていないはずの木製バット、近くからトスされた球を打ち返すため飛距離を出すのも難しいはずが、右中間スタンドへ消えた。「わりと(バットが)振れたのでよかった。外で振って飛距離を見て初めて分かる」。北海道文化放送(フジテレビ系)の「みんなのテレビ」がその模様を生中継で伝える中、35分間で最長120メートル、89スイング中6本のサク越えを披露した。

 午前9時42分に練習を開始し、終わったのが午後5時40分。40社120人の報道陣が見守る中、約8時間の練習で計251スイングをこなした。「いつもこれくらいやってます。『別に』って感じです」。大器の片りんを初日から見せつけた。

 木製バットでも変わらぬ長打力を発揮したが、それでも納得しないのが清宮だ。午前中に室内で行ったティー打撃ではメーカーの異なる3本の木製バットを持参。そのうち2本を使い分けた。「まだ探り探りです」とより上のレベルを見据えた。

 首脳陣の心もつかんだ。午前中のティー打撃を遠目から見つめた栗山監督は「振ることに関しての力の大きさはある」と絶賛。早実OBの荒木2軍監督も「元気そうにスタートしていた」とホッとした表情を浮かべた。指揮官は2月17日にキャンプ地・沖縄で1、2軍を交えた紅白戦を行うと新人7選手に伝え「そこで全員が全力のプレーができる準備をしてほしい。そこからが勝負」とアピールを期待した。

 この日はスタッフ会議が行われた。春季キャンプの1、2軍振り分けには「(清宮は)どちらがいいのかもう少し考える」と指揮官。明言は避けたものの1軍スタートが濃厚で、1軍1次キャンプ地の米アリゾナでは対外試合も予定しており、米国実戦デビューの可能性が高まった。

 この日の2軍施設にはエンゼルス・大谷は不在。先輩へのあいさつはお預けとなった。「結果を追い求めながらやりたいですが、楽しくやるということに重きを置いてやっている。その心を忘れずにやりたい」。楽しむ心を胸に、清宮のプロ野球人生が幕を開けた。(小島 和之)

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