【中日】岩瀬、43歳で新球チェンジアップ挑戦 入団時監督の星野さんに1001試合登板捧ぐ

スポーツ報知
自主トレを公開した岩瀬は、習得を目指すチェンジアップを投げ込んだ(カメラ・嶋田 直人)

 現役最年長の中日・岩瀬仁紀投手(43)が13日、新球のチェンジアップ習得に意欲を見せた。鳥取市のトレーニング研究施設「ワールドウィング」で自主トレ。43歳、プロ20年目にして初となる縦の変化球をマスターし、残り46試合としている前人未到の通算1000試合登板に挑む。

 外は雪が降りしきる中でも、鉄腕の投球は熱を帯びていった。今年初となるブルペン入り。いきなり捕手を座らせ、新球を中心に20球を投げ込んだ。「ずっと(スライダーなど)横の勝負で、縦の奥行きがなかった。打者と対戦していく中で必要だな、と。少しでも有利になるように」と理由を説明した。「当初は腕を振って球が来ないイメージだった。でも今は、球が落ちている。それを利用していく。(手応えなどは)バッターが立ってからですけど」と前を見据えた。

 ワールドウィングの小山代表によれば、昨年末にテレビ取材で同所を訪れた先輩の山本昌氏も「今までにない魔球だ」と絶賛したという。途中まで捕手役を務めた阪神・高橋聡も「しっかりコントロールされてる」とうなずいた。

 入団時の監督の星野仙一さんが4日に亡くなった。「すごく寂しい。今後、あれだけの影響がある人は出てこない」としのんだ。大記録の次は“センイチ(1001)試合”登板も見えてくる。「頑張っていくしかないですね。少しでも(活躍を)伝えていきたい」。昨季50試合登板でカムバック賞。今年はコーチ兼任となり、15日のスタッフ会議の参加も急きょ決まるなど大忙し。だが、新魔球を武器に、まだまだ主力として勝負する。(嶋田 直人)

 ◆星野さんと岩瀬 岩瀬は新人だった99年4月2日、広島との開幕戦(ナゴヤD)で救援デビューしたが、3安打1失点で1死も取ることができなかった。だが星野監督は山田久志投手コーチを通じ「明日もチャンスがあったら使うぞ」と通達。2日後、4日の同戦で起用した。岩瀬は1回を1安打無失点に抑え、名リリーバーへの道をスタートさせた。この年、10勝2敗1セーブで最優秀中継ぎ投手(特別賞)となり、星野監督の胴上げに貢献。星野監督は01年限りで退任して阪神監督となったが、08年の北京五輪でともに戦った。

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