【日本ハム】栗山監督、自称「原マニア」原辰徳氏を祝福「オーラが光として見えた」

スポーツ報知
12年日本シリーズで対戦、栗山監督(右)と握手を交わす原監督

 今年の野球殿堂入りが15日、都内の野球殿堂博物館で発表された。エキスパート表彰では、巨人前監督で日本一3度に導いた原辰徳氏(59)が選ばれた。日本ハム・栗山英樹監督(56)は、原氏を選手、指揮官として尊敬し、背中を追い続けてきた。「原マニア」を自称する同監督が祝福のメッセージを寄せた。

 出会いは衝撃だった。栗山監督が中3時、東海大相模高のセレクションを受験した時のこと。高3だった原氏はすでに高校球界のスター。グラウンドで顔を合わせた瞬間からとりこになった。

 「人のオーラが光として見えた感じがしたのは、最初で最後。『セレクション生か? 頑張れよ!』という、その何とも言えない爽やかさ。遠く離れた雲のようだったけど、いつかああいう人になりたいと思ってずっと過ごしてきた」

 取材者として、指揮官として「原の哲学」を勉強し、取り入れた。思い切りのよさ、時に非情とも思える兵法に原氏らしさ、信念を感じた。

 「選手、ファンがどう思うか、メディアがどう批判するかとか気にしていなかった。例えば坂本勇人の使い方。絶対モノになると思って(高卒)2年目からいっちゃう。スイングは速くなかったけど、タイミングの取り方がうまかった。でも巨人のショート。ほかのチームが我慢して育てるのとは違う。巨人の監督であれをできた人は一人もいないと思う。普通だったら、二岡という存在の大きさに、なかなかしにくい」

 セオリーを度外視した作戦にも意味を感じた。

 「走者一、三塁で投手にセーフティースクイズをやらせたりする。怖いけど、できると思って任せないとやれなくなる。サインを出す上で、最後は技術ではなく、人を信じるみたいなものを感じた」

 日本ハム監督就任1年目だった12年の日本シリーズで敵将として対戦した。敗れた後、グラウンドでハグされた。

 「俺の人生の中ではすごく大きなこと。選手、チームのために、できることをやらないといけないと教わった。それをやらなかった時に『ちゃんとやってんの?』と怒られそう。だからおととし、日本一になって『ちょっとだけ監督らしくなったな。頑張った』とメールをもらって、うれしいよね」

 これからも原氏の背中を追い続ける。

 「真っすぐに生きている人だからこそ、いつも輝いていられる。そういう先輩が評価されて、殿堂入りされるというのは、俺にとっては当たり前だけど、みんなが理解してくれるということが、すごくうれしい」

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