【楽天】佐藤義則投手コーチ、インタビュー「則本は制球力高めれば日本のエースになれる」

2018年2月14日9時0分  スポーツ報知
  • ブルペンで投球練習を見守る佐藤1軍投手コーチ(左は美馬)

 楽天・佐藤義則投手コーチ(63)がスポーツ報知のインタビューに応じた。2009~14年に楽天の投手コーチを務め、13年に球団史上初の日本一に導いた名伯楽が4年ぶりに復帰。これまで1軍コーチを務めた阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクでは井川、ダルビッシュ、田中、千賀らを育て、いずれもリーグ優勝に導いた。そんな優勝請負人が、キャンプでの投手陣を見て、大きな期待を寄せている。(取材・構成=安藤 宏太)

 ボールがミットに収まる甲高い音が鳴り響く、楽天のブルペン。4年ぶりにクリムゾンレッドのユニホームに袖を通した佐藤投手コーチは腕を組みながら目を光らせた。

 「結構みんないいボールを投げていると思う。知らない選手も多くて、仕上がりとかを判断するのは難しいけどね。若手が多いから楽しみも、おもしろさもある。この中で何人が残れるかだね」

 4年ぶりの楽天復帰。藤平、安楽、高梨、菅原ら初めて指導する若手が増え、先発の核となる岸も加わった。久米島1次キャンプに参加した投手の平均年齢は24・5歳。伸びしろがたっぷりあるからこそ、久米島での第1クールは変化球を投げることを禁止した。

 「全体的に若いからもっとストレートに興味を持って欲しいのと、もっとしっかり腕を振ることをやらせようと思った。本当はもっと続けようと思ったんだけど、実戦もあるから第2クールからは解禁したけど」

 開幕投手には早くも則本を指名。チームのエースであることは間違いないが、昨季のCSでは2試合勝ち星なしと、踏ん張りきれなかった。これまでダルビッシュや田中といった日本最高峰のエースを育てた名伯楽から見て何が、足りないのか。

 「コントロールだと思う。もうダルビッシュにも田中にもそんなに遜色はない。則本はボールの力は彼らに負けないものがあるけど、上背がない分、投手として多少マイナスがある。角度がない分、フォークをしっかり落とすとかそういうのをしっかりやって自分の思う通りに直球のコントロールの出し入れが出来るとか、そういう能力がついてくれば、日本のエースになれると思う。まだ言っちゃ悪いけど、力任せに投げている部分もある」

 則本を中心に岸、美馬、辛島を加えた先発ローテが佐藤コーチの中には描かれている。ソフトバンクのコーチとして見ていても、強力な楽天先発陣は脅威だった。

 「先発で(現状で)固定出来るのは4人。誰って? 言わなくても分かるでしょ。去年言われていた3本柱(則本、岸、美馬)と辛島かな。(ソフトバンクの打者も)美馬はシュートを投げ始めて嫌がっているバッターは多かった。辛島も腕を下げて、抑えられるようになった。岸や則本も能力は持っているので、ハマったらなかなか打てない」

 5、6番手候補にも安楽、藤平、古川、森、池田ら楽しみな若手選手が名乗りを上げている。一方で、昨年あと一歩届かなかったリーグの頂点へは、リリーフに課題があると指摘する。

 「9回には松井がいて、8回にはハーマンが去年はいて、福山も頑張った。6、7回をきっちり抑えられるピッチャーをもう1人作っていかないといけないのかなと。(先発陣が)若くなった分、9回をなかなか完投できるピッチャーはいない。競っているときにしのげるピッチャーを準備しないといけない」

 昨季は終盤に左腕の高梨が台頭。だが、パ・リーグにはソフトバンク・柳田、西武・秋山ら左打ちの好打者が多いことから、左の中継ぎ「もう1枚」の成長を願う。名前を挙げたのは5年目の浜矢と、ドラフト4位・渡辺(横浜商大)だ。

 「今見る限りでは浜矢はボールに力があるし、ルーキーの渡辺もボールの勢いだけだったら問題ないと思って見ている。これからオープン戦で使ってみて、どれくらいコントロールがいいのかとかを計算しないといけない。基本的には左バッターをしっかり抑えてくれればいいということになる」

 シーズン中のありとあらゆるシーンを頭の中で想定しながら、選手を見極めている名伯楽。1月に星野仙一副会長(享年70)が亡くなり、今季にかける特別な強い思いもある。

 「ずっと一緒にやってきた。阪神で一緒にやって勝てて、楽天でも日本一になれた。今回も楽天に戻ったのも、直接電話をしてくれたから。CSの前に。『どうなんだ? ソフトバンク3年やって』と言われたので『全部一任します』と。そしたら『だったら戻って来い』と言って頂けた。まさか今年亡くなるとは思ってなかったけど…。それに報いてやろうかなと思う」

 久米島キャンプでは則本や岸といったエース級から藤平や安楽といった若手まで丁寧に手取り足取り指導。11日の紅白戦では、四球なしと早くも効果は出てきた。5年ぶりの日本一奪還へ、佐藤コーチによる投手陣再建は着々と進んでいる。

 ◆佐藤 義則(さとう・よしのり)1954年9月11日、北海道生まれ。63歳。函館有斗高(現函館大有斗高)、日大を経て、76年にドラフト1位で阪急(現オリックス)入団。77年に新人王、85年に最多勝、86年に最優秀防御率。95年には40歳でノーヒットノーランを達成した。98年に現役引退し、オリックス、阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクで投手コーチを務めた。通算成績は501試合に登板し165勝137敗48セーブ、防御率3・97。181センチ、91キロ。右投右打。

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