【楽天】松井裕樹、今年は「投球で圧倒できるようにできれば」2段モーションで強いボールに

スポーツ報知
ブルペンで投げ込む松井

 楽天の松井裕樹投手(22)が20日、「とうほく報知」のインタビューに応じた。沖縄での春季キャンプで、ルールが緩和された2段モーションに取り組む左腕は順調な仕上がりを強調。相手を圧倒する投球に自信を見せた。この日、3月3、4日の強化試合・オーストラリア戦(ナゴヤD、京セラD)へ向けた侍ジャパンへの選出が発表され、侍や2年後に迫った東京五輪へも率直な思いを語った。(取材・構成、山口 泰史)

 プロ5年目。久米島、そして現在行われている金武町でのキャンプで汗を流す松井は、例年以上の充実感を漂わせている。

 「思ったよりいいですよ。キャンプ自体、余裕がありますね。4年間で培ったというか、流れとか動きもそうですし、登板日もある程度は自分で決めさせてもらえるようになった。自由にやらせてもらってます」

 ブルペンでは、2段モーションに取り組んできた。

 「しっかり自分の時間をつくるというか、2段にしたというより、セットからワインドアップにしたことが大きいと思いますね。実際に強いボールもいってますし、ボールのラインも出ているので、手応えは感じています。去年は圧倒する感じがなかったので、投球で圧倒できるようにできればな、と思ってます」

 この日、侍ジャパンへの選出が発表された。

 「WBCでは大事なところで名前を呼ばれなかった。代表の中でもいい役回りを勝ち取っていきたいなという思いが出てきたので、経験を生かして、代表でも結果が出せるようにやっていきたいと思います」

 2年後に迫る東京五輪へも、強い思いがある。

 「改めて東京でオリンピックをやるというのが、本当にすごいなと。国際的な祭典じゃないですか。招致活動に関わった人の努力もすごかったんだろうなと思いますし、その大きさというか、それがちょっとずつ分かってきたので、そこに選手として出場できる可能性があるので、目指していきたいと強く思いますね」

 最近は、本を読む時間が増えたという。

 「もちろん運動生理学的なものとか、経済とかお金の話とか。大学を出ていないので、野球終わってからの人生も長いし、人間として最低限の知識とかを身につけないと恥ずかしい。高梨さん(雄平=投手)といることが多くて、あの人は早大とエネオス(JX―ENEOS)を出ていて、言葉の数とかも多くて、尊敬していますし、いいなと。難しい言葉だったりを、日常の会話で何となく使ったり…。“背伸び”して、難しい本とか読んでます」

 大学を卒業し、社会に出ていく同級生の姿にも影響を受けたという。

 「同級生とオフに会って、資格を取ったりとか、自己分析して自分と向き合ってるとか、そういう話とかしていたんで、野球だけやっていたら、人間として取り残されるなと思って。運動の方の知識ももちろん高めつつ、多くのことを知りたいな、と」

 最後に、守護神としては4度目のシーズンへ向けての目標を聞いた。

 「やっぱり優勝したいです。ソフトバンクに負けない中継ぎ陣をつくりたい。CSを経験したメンバーも多くいますので、勝負強さを持ったブルペンで、接戦を勝ち取れたらいいかなと思ってます。離脱して後ろが1人いなくなると崩れるというのは分かったので、自分にプレッシャーもかけてやっていきたいです」

 ◆松井 裕樹(まつい・ゆうき)1995年10月30日、神奈川・横浜市生まれ。22歳。桐光学園高では、2年夏の甲子園で大会新記録となる1試合22奪三振をマーク。13年ドラフトでは、1位で5球団競合の末に楽天が指名権を獲得した。プロ2年目の15年から守護神を任され、昨季まで3年連続30セーブを記録。174センチ、74キロ。左投左打。年俸1億4000万円。

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