【楽天】下妻、9回に代打同点3ラン! 17日に続き“2打席連発”

スポーツ報知
9回に左越え3ランを放った下妻(右)はベンチのナインから祝福された

◆練習試合 楽天7―7ハンファ(韓国)=特別ルール=(21日、金武)

 楽天は21日、沖縄・金武で韓国ハンファと練習試合を行った。下妻貴寛捕手(23)が、3点を追う9回1死一、二塁で代打として起用されると、同点の左越え3ランを放った。17日の韓国サムスン戦(金武)の6回に左越えソロを放ってから、2打席連発となる一発。守備に定評のある大型捕手が、課題と言われた打撃で結果を残し、1軍生き残りを大きくアピールした。

 やや高めに来た直球を、下妻は迷いなく振り抜いた。打った瞬間に分かる打球が、左中間フェンスを越える。3点を追う9回、1死一、二塁。代打で登場すると、カウント3―1からの真っすぐを完璧にとらえた。同点の左越え3ラン。「カウントも打者有利。真っすぐだけは1球で仕留めようと思っていた」と胸を張った。

 意識改革と地道な努力が、最高の結果へと導いた。「秋から飛距離を伸ばすために、しっかり振ることをずっと続けてきた。打球を上げようと。ゴロを打つより、フライアウトの方がいい」。決して足が速い方ではない。打球を上げないと長打にならないと割り切った。ややアッパー気味に振り続けてきたバットが、17日の韓国サムスン戦(金武)から2打席連発となる一撃を呼び込んだ。

 競争を勝ち抜くために、自立の道を選んだ。昨年1月は銀次らとの沖縄自主トレに参加。しかし、そこに足立祐一捕手(28)も参加していたことで、今年は仙台で自分でメニューを考えながら自主トレを行った。「足立さんと同じところでやって、同じ練習をしていても勝てない」。嶋を含め今年の1軍捕手枠は2人の予定。足立だけでなく、ソフトバンクから加入した山下、3年目の堀内、ベテラン細川らとの厳しい争いに、覚悟を持って臨んでいる。

 梨田昌孝監督(64)は「受けるのはだいぶ成長している。あとは打撃と盗塁を刺せるか。今のところウチのホームラン王」と笑顔で評価した。「捕手争いは厳しいと思いますけど、1球1球を大事に戦っていきたい」と話す下妻が、課題とされてきたバットで、まずは大きなインパクトを残した。(山口 泰史)

 ◆下妻 貴寛(しもつま・たかひろ)1994年4月15日、山形・酒田市生まれ。23歳。酒田南高では3年夏に甲子園出場。主将として選手宣誓を行った。12年ドラフト4位で楽天入り。昨年10月5日のロッテ戦(ZOZO)、プロ9打席目で初安打をマークした。プロ通算成績は13試合に出場し10打数1安打、5三振、1犠打。186センチ、85キロ。右投右打。年俸700万円。

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