【阪神】金村義明氏、片岡ヘッドコーチを直撃!「飛ぶボールに変わったんか?」

スポーツ報知
片岡ヘッド兼打撃コーチ(左)に次々と質問を浴びせるスポーツ報知評論家の金村義明さん(カメラ・馬場 秀則)

 昨季までの打撃コーチからヘッド兼任となった阪神・片岡篤史コーチ(48)をスポーツ報知評論家の金村義明氏(54)が直撃した。現役時代から親交が深い2人は本音トークを展開。片岡新ヘッドは、金本イズムが浸透してきた若手打者の成長ぶりを認め、金本監督の「変化」も明かした。(構成・井之川 昇平)

 金村 ビックリするほど変わってきたな。選手の下半身が大きくなって、打球が落ちて来ずに、ひと伸びする。飛ぶボールに変わったんか?(笑い)

 片岡 そう言われるぐらい、レベルが上がりました。去年の秋から練習前に必ず、重さ1キロの長い(マスコット)バットを振らせるようにして、バットを振る力がついてきた。

 金村 手がずるむけやもんな。握手したら、江越の手は熱を持ってたぞ。

 片岡 みんな、裂傷みたいな感じです。どこかに痛いところがあると思うんですけど、それを言える状態じゃないんですよ。やらないと取り残されていく。(重いバットを振ると)けんしょう炎になりやすいんで、秋のキャンプの時、金本監督に「みんな、手首(に痛み)がきてますよ」と言ったんです。そうしたら「大丈夫、慣れる」と。ひと言で終わりでしたね(笑い)。

 金村 痛みも慣れたら痛くない。

 片岡 弱いから痛くなる。痛みを我慢することを覚えてきたと思いますよ。金本監督がよく「強い選手を」と言われるように、練習を乗り切る体力がついてきた。2年間やってきたことが選手に浸透してきた。

 金村 今年は金本監督が前面に出ていない。去年までは自分が教えていた。

 片岡 変わりました。今までより、ちょっと引いてます。選手の成長を感じながら、いい距離を置いている。その方が、緊張感がある。選手は、何も言われない方が、見られている緊張感があるんです。

 金村 高山は悲壮感が漂っている。下手したら2軍に落とされる可能性があるもんな。

 片岡 そうなんですよ。一昨年活躍して去年アカンかった原口、高山、北條。1年でこれだけ立場が変わるんだよ、とみんなが感じている。高山は体を絞って動きが違う。何より、取り組む姿勢が変わりましたよ。

 金村 若手の特打をベテランの福留、鳥谷が見に来てるもんね。あいつらが伸びてきとるな、とおちおちしてられへん。

 片岡 見てるでしょ。まだまだ(若手との)差はありますよ。でも、やってる本人たちが(他の選手の成長も)分かりますからね。だからベテランの彼らもいいキャンプを過ごしてますよ。

 金村 鳥谷はセカンドにコンバート。セカンドの方が楽になると思うね。

 片岡 僕たちサードからしたら、違うでしょうね。(一塁までの送球が)近い。何より、チームのために、と明るく前向きにやってくれています。

 金村 ロサリオはホンモノやな。マートンやゴメスより強烈や。

 片岡 去年までは金村さんに「今年の外国人はアカンな」と言われてましたけど(笑い)。ロサリオは意識が高いですよ。練習試合の後に「特守をしてくれ」って言ってきた。そんな外国人、見たことあります? 

 金村 気をつけるのは、外角のボール球を追いかけないようにするだけ。

 片岡 本人もその点を注意していて、打ちにいく時の左の壁を意識しています。ボクに「チェックしておいて」と言ってきて「きょうはどうだった?」と確認に来るんです。インコース寄りの球をセンター前ヒットにする。バットが内から出ている証拠ですよ。あの打撃をされたら(相手投手は)どうしようもないですもんね。

 金村 ヘッドコーチとして、ベンチから高代三塁コーチにサインを出す練習も始めている。相手は、ベンチが出すサインを見破るからね。

 片岡 鏡を見ながら練習をしておかないと(笑い)。クセが出ると言われてるんで。

 金村 金本監督は星野イズムを継承している。星野監督のヘッドというと島野(育夫)さん。監督が怒る前にヘッドがどついてた。そうすると、監督がどつけんようになる。

 片岡 監督にそういうことがないようにボクがしないといけない。監督にゲームに集中してもらえるように。

 金村 ヘッドは仕事が多い。その分(人さし指と親指で円を作って)高いけどな。

 片岡 ハハハ。去年まで得点力が課題と言われてきましたが、状況に応じた打撃を磨きながら1点でも多く取って、勝てる試合を増やしていきたいです。

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