【楽天】藤平、星野さんに捧げる熱投「天国で見てもらえたかな」72球中51球で直球5回7K

スポーツ報知
楽天先発・藤平

◆オープン戦=星野仙一氏追悼試合= 中日2―9楽天(3日・ナゴヤドーム)

 楽天・藤平が故・星野仙一副会長(享年70)にささげる熱投を見せた。中日が主催した星野氏の追悼試合(ナゴヤD)に先発し、5回4安打2失点。「星野さんに喜んでもらえるように」と全72球中51球の直球を投げ込み、7三振を奪った。高卒2年目。開幕ローテをほぼ確実にした19歳は、亡き恩師にさらなる飛躍を誓った。

 星野副会長への思いを藤平は白球に込めた。全72球中51球が直球。恩師の追悼試合とあって「星野さんに喜んでもらえるように変化球を減らして、真っすぐでどんどん押すことを目標にしました」。2月24日・広島戦(沖縄)は50%だった直球の割合が、20%以上増えて、70・8%。真っ向勝負で5回4安打2失点に抑え「天国で見てもらえたかなと思う」と恩返しの思いを体現した。

 星野氏は昨年、藤平の登板するファームの試合を何度も視察するなど、気にかけていた。闘将の熱い思いを持ちながらも、19歳右腕の頭の中は冷静だった。これまで実戦2試合6回完全だったが、初回に大島、京田に連続長打を浴びていきなり1点を献上。その後はすぐにフォームを修正した。ナゴヤDは初のマウンドとあって予想以上に傾斜がきつく、左足が地面につく前に投げていたことに気がつきすぐに微調整。とっさの突貫工事に「落ち着いて判断も出来たのでよかった」とうなずいた。

 昨年9月29日の日本ハム戦では初の札幌Dのマウンドに対応できず3回5四死球の乱調で、無失点ながら降板。2位を西武と争う中で試合を作れず、悔しさが残った。プロ2年目で経験のない球場も多く適応力を課題に挙げていた右腕は「対応、修正が出来たのは成長かなと思う」。梨田監督も「彼の成長の証し」とたたえた。

 試合前には横浜高の先輩・松坂にあいさつし「今年は俺も頑張るから、お互い頑張ろうな」とエールを受けてグータッチも交わした。開幕ローテ入りはほぼ確実。高卒2年目にしては上々の出来だが「変化球の精度をもう少し上げれば球数も少なくなる」とさらなる高みを見据えていた。(安藤 宏太)

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