【中日】松坂、納得31球「普通にマウンドに上がれて普通に投げられた」

スポーツ報知
本拠地ナゴヤDのマウンドに立った松坂(カメラ・二川 雅年)

◆オープン戦 中日7―11楽天(4日・ナゴヤドーム)

 その名がコールされるとドームが絶叫に包まれた。「ドラゴンズのピッチャーは背番号99、松坂大輔!」。西武時代の2005年5月31日、中日戦に先発して以来4660日ぶりのナゴヤD。「久しぶりの雰囲気。普通にマウンドに上がれて普通に試合で投げられた。それが一番じゃないですか」。2イニング31球を投げ抜き、心地よさそうに汗を拭いた。

 楽天はソフトバンク時代唯一の公式戦登板となった16年10月2日、1回5失点と炎上した相手。しかしこの日は初回に最速144キロを記録するなど、復活を予感させる内容だった。2回2死三塁からアマダーに甘いスライダーをバックスクリーン右に運ばれて2失点したが、最後の山下は意地のチェンジアップ連投で空振り三振。「(初回の直球?)試合を通してああいう形で投げられたらいい」と失投以外は納得の投球だった。

 マイペース調整を貫いている。ソフトバンクでは年俸4億円を得ていた手前、肩と肘が悲鳴を上げるのを察知しつつ、無理して200球を超える投げ込みも行った。「ものすごくアピールしないといけない立場だった。自分のペースでなかったのは確か」。今季年俸は1500万円。試合前日は捕手を立たせた軽い投球で終え、試合当日も全体練習には入らない。「自分のペースで動いていいということになっている」。重荷を感じず、結果だけを追い求めている。

 この日は球団が名古屋市内の小学6年生に2万枚の無料招待券を配布したこともあり、3万1282人が来場。その熱視線を独り占めにした。次戦も本拠地での西武戦(14日)登板が濃厚で、松坂は「体に問題がなければ次は3、4イニングと増やす」と意気込んだ。森監督も「1球投げるたび、1アウト取るたびの歓声。久しぶりに聞きました」と笑顔。怪物復活の足音が、着実に大きくなってきた。(田中 昌宏)

 ◆松坂の前回の楽天戦 ソフトバンク時代の16年10月2日、コボスタ宮城で国内復帰後唯一の公式戦登板。2点ビハインドの8回に登場したが、嶋に四球、島内に死球、松井稼に死球、ペゲーロに押し出し四球で1点を失い、1死後に茂木、アマダー、銀次に3連打を浴びた。1回3安打4四死球で計5失点。打者10人と対戦したが、うち島内、ペゲーロ、ウィーラー、アマダー、銀次、岡島の6人はこの日も対戦した。

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