【ロッテ】安田、オープン戦初安打がサヨナラ打 対外試合25打席ぶり安打

スポーツ報知
9回2死満塁、左前へサヨナラ打を放った安田(右)は、井口監督(左端)に迎えられる

◆オープン戦 ロッテ6―5巨人(6日・ZOZOマリン)

 長いトンネルを抜けた先に、プロで初めて味わう歓喜の瞬間が待っていた。ロッテ・安田が放った打球はゴロで遊撃手のグラブの下をくぐり左前に抜けた。サヨナラ打で試合に決着をつけたヒーローにスタンドから大歓声が送られた。一塁を回ってベンチを見ると仲間が大はしゃぎしていた。「子供の頃にテレビで見ていた光景。プロになったと実感できた」。井口監督も「やはり持っている」とうれしそうだ。

 5―5の9回2死満塁。ネクストサークルでは「自分が決めるという気持ちだった」。普段は「緊張したことがない」という18歳もこの時ばかりは「今までと違った緊張感があった」。打席で深呼吸をして心を落ち着かせた。2球目、谷岡の外角フォークを振り抜いた。対外試合25打席ぶりの安打は、オープン戦9打席目での初安打となり「これまで結果が出てなくて結構しんどいところもあったんですけど、本当に何とか1本出せてうれしい気持ちです」とはにかんだ。

 石垣島キャンプの2月11日の夜。2軍のコーチ陣と面談をした。1年目の目標を問われると、「1軍戦でスタメンで20試合以上に出る」と初めて具体的な数字を口に出して誓った。練習では毎日、金森打撃コーチが付きっきりで指導。一線級の投手を打つため、バットを内側から出し、体の軸回転を意識して打つ感覚を体に染み込ませた。タイミングの取り方もすり足から右足を15センチほど上げるフォームに改造した。努力と試行錯誤の中でようやく出た一打に安田は「泥くさい安打でしたけど、今の自分にはそれが一番いい安打だった」。18歳らしい、この日一番の笑顔だった。(長井 毅)

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