【西武】高木勇、初勝利 ローテへ一歩前進も試合後は“ワールド”全開

スポーツ報知
4回のピンチを切り抜けて、苦笑いを浮かべながらベンチに引き揚げる高木勇(カメラ・馬場 秀則)

◆オープン戦 西武6-3楽天(9日・倉敷)

 FA移籍した野上の人的補償で巨人からやってきた西武・高木勇人投手(28)が、5回3安打1失点で、開幕ローテ入りを大きく引き寄せた。だが、5四死球と制球が定まらず、納得がいかなかったこともあり、試合後は謎発言を連発。新天地でも、「僕は僕です」の名言を残した“高木ワールド”は全開だった。この日は1月に70歳で亡くなった楽天・星野仙一副会長の生まれ故郷・倉敷での試合とあって、試合前には黙とうがささげられた。

 新天地でも“高木ワールド”は全開だった。先発した高木勇は初回に2つの四球を与えるなどあっさりと1点を失い、2回以降も制球が定まらず5回5四死球だったが、1失点。降板後の囲み取材では投球内容と同じような、つかみようのない謎発言を連発した。

 「初回はどうしても大事に行かないといけないけど、大胆にも行かないといけない。だからといって慎重…。なんと言ったらいいのかな…。慎重になりすぎないように? そこは個々の言葉でつくって下さい。自分の言葉ではつくれないです」

 自らの投球を言葉にできないながらも、5回は3者凡退に抑えるなど、尻上がりに調子を上げた右腕。さらに、5回91球という球数に話が及ぶと…。

 「三振を取ると言うよりも凡打、凡打を目指したい。求めるところは(9回を)27球で終わること。それは究極なので、絶対にバッターが待つのでないことですけど。自分が真ん中に投げても(打者が)振らないから。あ、でもゲッツーを取ったらあるか。いや、ないか。終わらんか」

 辻監督は「球自体は彼本来ではなかったけど、あれくらい悪いなりに投げてくれれば」と及第点。先発は開幕投手の菊池以外は混戦模様で、ローテ入りに一歩前進した。それでも高木勇は次回の登板が気になってしょうがない。

 「自分、予想ではどこだと思いますか? 分からないんですよね、自分…。どこで投げるんですかね…」

 そう記者に逆取材した右腕。「テンポよくチームにリズムをつくれるピッチングをするのが自分だと思ってやります。やっていきます。ん? どっちだ。分からないです」。どこまでも高木勇らしいコメントであふれていたが、マウンドでの結果こそ、その実力を測る物差しになる。(安藤 宏太)

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