【楽天】銀次、魂の一打「一生忘れてはいけない」

スポーツ報知
試合前に復興支援募金を行った銀次(左)(右は岡島)

◆オープン戦 楽天3―0中日(11日・倉敷)

 楽天の銀次内野手(30)は11日、改めて東北への思いを語った。中日とのオープン戦(倉敷)前には球場正面で募金活動を行い、試合ではフル出場して4打数1安打。岩手・普代村出身の安打製造機は、毎年、岩手沿岸部で行う野球教室を通して、地元からのプロ野球選手誕生を手助けしていきたい考えを明かした。

 銀次らしく、逆方向へはじき返した。2回、先頭で迎えた第1打席。左前打で出塁すると、続くアマダーの一発で先制のホームを踏んだ。試合前には黙とうをささげ、半旗で行われた試合。4打数1安打だったが「1本出せてよかったと思います」と銀次。「3・11」に勝利という結果を残し、小さくうなずいた。

 試合前には、球場正面で募金活動を行った。梨田監督、平石ヘッドコーチ、岡島選手会長、則本とともに募金箱を持ち、感謝を伝えた。「(3・11は)一生忘れてはいけないこと。これから先もできることがあれば、率先して選手、球団が一緒になって東北を盛り上げていければ。みんながそのことを忘れずにプレーしていければ」と語った。

 毎年、岩手県沿岸部で行う小学校訪問や野球教室には、プロ野球選手としての思いが込められている。「被災地に行って、野球を教えて、楽しさを教えて、そこからプロ野球選手が出てきてほしい。そうすれば、地域も盛り上がると思う」。10年、20年先を見据えながら、これからも地元に貢献していくつもりだ。

 今年は、当時チームを指揮し、今年1月に70歳で亡くなった星野仙一副会長の故郷・倉敷で特別な日を迎えた。募金に多くのファンが集まり「すごく、うれしい。星野さんのおかげだと思うし、倉敷の皆さんのためにも僕らが頑張らないといけないなと思います」。東北と恩師への思いを形にするため、優勝だけを目指し、バットを振る。(山口 泰史)

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