「センバツ21世紀枠」由利工・佐藤亜、5回1失点 “脱力”投法で課題制球アップ

スポーツ報知
興南戦に先発し、5回1失点の由利工・佐藤亜

◆練習試合 興南7x―6由利工(13日・具志川球場)

 23日開幕の第90回記念センバツ高校野球(甲子園)に21世紀枠で初出場する由利工(秋田)が13日、合宿中の沖縄県内で練習試合を行った。エース右腕の佐藤亜蓮(新3年)が興南戦に先発し、5回を4安打8奪三振1失点。課題の制球力を向上させて好投した。同じく沖縄合宿中のセンバツ出場の聖光学院(福島)も13日の練習試合で、主砲の須田優真内野手(新3年)が嘉手納戦で4打数3安打4打点と固め打ち。両校ともこの日で沖縄合宿を打ち上げた。16日に大阪で行われる組み合わせ抽選会に臨む。

 沖縄合宿最後の練習試合を、手応え十分に締めくくった。興南戦に先発した由利工・佐藤亜は5回を投げ、1点を失ったが、毎回の8奪三振。今合宿は球数を制限しながら登板し、11日の沖縄水産戦の3回1失点、12日の宜野湾戦の5回無失点に続く好投となった。「初めての実戦だったけど、球は走っていた」と合宿を振り返った佐藤亜に、渡辺義久監督(39)も「力のある球がしっかりきている」と高く評価した。

 “脱力”が好投の鍵だ。最速142キロを誇る本格派右腕だが、佐藤亜は「(昨秋は)力を入れないと球がいかなかった」と吐露。オリックス・金子千尋投手(34)を参考に何度も動画を見て、以前より左足をゆっくり振り上げるなど、無駄な力を入れないことを意識した。投球フォームが固まると、課題だった制球力も向上。体幹や下半身の強化も実り、「内角も外角も決めきれるようになった」と胸を張った。

 試合は6―7でサヨナラ負けしたが、指揮官は「まだ試合の中で細かい指示を出していないし、(ベンチ入りの)18人で戦った。けがをせず、乗り切ったのが収穫」と、チーム全体で6試合を経験できたことを重視。14日に大阪入り後、練習や実戦を通して仕上げていくつもりだ。

 佐藤亜は「甘い球もあった。もっと完成度を上げていきたい」と力強く宣言。切れのある球を聖地で披露し、白星をつかみ取る。(有吉 広紀)

 ◆佐藤 亜蓮(さとう・あれん)2001年2月8日、秋田・由利本荘市生まれ。17歳。小3で野球を始め、大内中では軟式野球部に所属。由利工では1年春からベンチ入り、1年秋から背番号1。174センチ、78キロ。右投右打。血液型O。家族は両親。

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