【楽天】藤平、気温1度も5回1失点9K「経験として良かった」開幕3戦目先発へ

スポーツ報知
西武とのオープン戦に先発、9奪三振と好投した藤平(カメラ・川口 浩)

◆オープン戦 西武3―3楽天(21日・メットライフドーム)

 楽天の藤平が、西武戦で5回1失点。気温1度、メットライフドーム周辺に雪が降り積もる中、9三振を奪って、オープン戦の奪三振王に躍り出た。開幕ローテ入りは既に内定している19歳の2年目右腕。開幕3戦目となる4月1日ロッテ戦(ZOZO)での先発が濃厚となった。

 白い吐息さえも力に変えた。藤平は凍えるような寒さの中、制球に苦戦。毎回走者を背負い、オープン戦14回で1つだけだった四死球を5つ与え、プロ最多121球を要した。変化球が高めに浮いて7安打を浴びながら5回1失点。苦しみながらもプロ最多9Kを奪う粘投に「かなり寒い中投げられたことは経験として良かった」とうなずいた。

 走者を背負っても動じなかった。「走者を出してからの三振や2死後に三振を取って攻撃につなげれば得点につながる可能性も高くなる。狙って取るようにしていた」。5回で残塁は11。ピンチでギアを意識的に上げた。オープン戦4登板、計19回で20K。登板数に差はあるが、オリックス・山岡(17K)を抜いて最多奪三振に浮上した。

 新球の手応えもつかんだ。オフに取り組んできたチェンジアップをこの試合で解禁。4回には外角へ逃げるように落として秋山から空振りを奪った。「秋山さんは空振りの少ない打者なので、他の打者も反応すると思う。かなり自信になった」。昨シーズン中から岸に教えてもらっていた変化球の完成度に納得だった。

 初の開幕ローテ入りをつかんだ右腕に用意されることが濃厚なのは、開幕3戦目となる4月1日のロッテ戦(ZOZO)。千葉出身の右腕にとって小学校時代から慣れ親しみ、昨年8月にプロ初勝利を挙げた思い出の球場で、則本、美馬に次いで3番手として送り込まれる。中6日での登板となれば2試合目は本拠地でのソフトバンク戦。その後も2試合連続仙台での登板が濃厚で、気温が低い可能性のある屋外球場へ向けて「大丈夫だと思います」と自信を深めた。

 この日で開幕前の登板は最後。「(ローテに)入ることは通過点。1年間1軍に入るため、入ってからを考えてやってきた」とさらりと言い放った。2年目の躍動へ、準備は万全だ。(安藤 宏太)

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