【楽天】内田、開幕スタメンへ日本人トップ4号

スポーツ報知
右越えソロを放ち生還する内田(右)

◆オープン戦 巨人2―2楽天=9回規定により引き分け=(24日・東京ドーム)

 パワーに技も上乗せした。内田は2球で追い込まれると気持ちを切り替えた。「追い込まれてからは逆方向を意識していました」。0―0の2回1死。4球ファウルで粘り、カウント2―2で迎えた9球目。田口の外角低めスライダーを逆方向に運んだ。白球は一直線に右翼席最前列に飛び込む2試合連続のソロ。オープン戦日本人トップタイとなる4号に「打った瞬間、手応えはあった。いい本塁打だった」とうなずいた。

 熱い思いがあった。対戦した田口は13年夏のU―18日本代表でチームメート。当時の高校日本代表には松井(楽天)、森(西武)、上林(ソフトバンク)も名を連ねていた。これまで、プロ4年間で目立った成績を残せていなかった内田を横目に、田口らは侍ジャパンのトップチーム入り。大学を経由した同学年のライバルも今季プロ入りし「何とか打ちたいなと思っていた。活躍している選手から打てたのは、少し自信にしていいかな」と笑った。

 狙う獲物は開幕スタメンの座。ここまでオープン戦では打率4割1分5厘を残し、12球団トップ。だが、開幕一塁の座は今江との争いで、藤田が二塁に入って銀次が一塁に回る可能性もある。梨田監督も「困るね。迷うね。うれしい悩み」と頭を抱えるほどだ。この日も2打席目以降は3打席無安打。内田も「まだ僕が決められる立場ではない。残り1試合もアピールしたい」と気を引き締め直した。

 昨季はイースタンで本塁打と打点の2冠。オフは昨季までチームメートだった松井(西武)に直訴して初めて一緒に自主トレを行い、狙い球以外を捨てる勇気を説かれた。打席に入る前、高須打撃コーチと配球などを確認してから打席に立つことで、狙い球が絞れて気持ちも楽になった。「この感じを続けていきたい」。今春、桜はまだ見ていないという22歳の花が、咲きつつある。(安藤 宏太)

 ◆内田 靖人(うちだ・やすひと)

 ▽生まれとサイズ 1995年5月30日、福島・いわき市生まれ。22歳。185センチ、86キロ。右投右打。年俸700万円。

 ▽球歴 常総学院では1年春からベンチ入りし、同秋からレギュラー。高校通算37本塁打。甲子園出場3度。13年ドラフト2位で楽天入り。当時の星野仙一監督も「将来は4番を任せたい」とほれ込んだ。

 ▽ニックネーム ウッチー、ヤス。「ゴリラ」と呼ばれると「誰がゴリラや」と言い返すのがお決まり。

 ▽家族 母と姉。小5で父・道義さんを亡くし、母・敬子さんに女手ひとつで育てられた。この日は母が観戦に訪れていた。

 ▽真面目君 高校時代、練習は3年間無遅刻で、勉強もスポーツクラスで常にトップ10入りと優秀だった。今でもオフの日は「寝ています。少し体を動かすくらい」。

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