【ロッテ】井口新監督が1勝 4番抜てきの“まな弟子”井上が連発

スポーツ報知
初勝利のウィニングボールを手に笑顔を見せる井口監督

◆ロッテ6―2楽天(31日、ZOZOマリン)

 ロッテの井口新監督が、開幕2戦目で初勝利を飾った。初回に機動力を絡めて先制すると、4番・井上が左翼席にチーム1号ソロを放ち、主導権を握った。指揮官が期待をかける主砲は、3回にもプロ入り初となる2打席連続アーチ。主砲が白星を彩った。

 初勝利の瞬間を見届けた井口監督はグラウンドに出てナインとハイタッチを交わし、喜びを分かち合った。9回を抑えた内からウィニングボールを受け取ると自然と笑みがこぼれた。「僕の勝利というよりはチームとしての勝利」。自身よりも、初白星をもたらしてくれたチーム全員をたたえた。

 初回から理想の展開で試合を運んだ。先頭の荻野が左前打で出塁。すかさず二盗を決めて、続く藤岡裕が進塁打。1死三塁のチャンスを作ると、中村の二ゴロは銀次の正面を突いたが、三塁走者・荻野が猛然と本塁に突入し生還した。流れるような得点劇で先制点を奪取した。開幕戦の初回は同じような展開で点が入らず、試合前のミーティングでは「ゴロは行け」の意識を徹底させていた。「ああいう形で1点取れたのは大きい」。指揮官が目指す「1点を取る野球」の象徴的シーンだった。

 “まな弟子”の活躍で勝利への機運が高まった。先制後、2死から井上が左翼席に今季チーム1号ソロを放ち、追加点。「一発しかないなという気持ちで打席に入りました」と気合十分で臨み、4番の仕事を果たした。昨季は大半が2軍暮らし。引退試合の調整のためファームにいた井口選手から「バットが遠回りに出ると力が伝わりにくい。バットを体から離さないように」と助言を受けた。「監督は僕の良い時も悪い時もわかっている」と井上。今季の開幕前には、オープン戦で結果を求めて当てに行くことで「スイングが小さくなっていた」点を指摘された。改善策としてロングティーを勧められ、フルスイングすることで好調時のフォームを呼び起こしたことも奏功した。

 4―0の3回にもバックスクリーン右へ自身初の2打席連発となるソロを放ち、「着弾地点が井口さんの本塁打に似ている。背中を追いかけられているなと思った。形が一番いい」と自賛した。開幕2戦目で自己最多タイの2本塁打に「怖いものはない」と笑った。

 井口監督は「毎年オープン戦は調子がよくて、4月までと彼も分かっている。そこをどう脱皮するか」と発破。アジャも期待に応えたい一心でこう叫んだ。「春男・脱皮します! 井口監督を胴上げできるように!」(長井 毅)

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