【楽天】星野さん、勝ちたかったです…追悼試合で岸8回0封快投も敗れる

スポーツ報知
星野仙一さんの追悼セレモニーで背番号77をつけ、黙とうする梨田監督(右)ら楽天ナイン

◆楽天0―2日本ハム(3日・楽天生命パーク)

 恩人に白星を届けたかった。悔しさを押し殺して、岸は言葉を絞り出した。「(調子は)最高でした。とりあえず勝ちたかった」。本拠地開幕戦。1月に死去した星野仙一副会長の追悼試合として、背番号「77」を背にして臨んだ大一番で、5回1死まで1人の走者も許さない完璧な投球。7、8回は得点圏へ走者を進められたが、気迫で後続を打ち取った。8回を投げ3安打無失点。試合には敗れたが、星野氏への恩に報いる快投だった。

 星野氏の存在がなければ、楽天・岸は誕生しなかったかもしれない。16年オフ、西武から海外フリーエージェント権を行使した岸に、星野氏がラブコール。「迷ったら前へ進め」との言葉が右腕の心を動かした。登板前日の2日、岸は言った。「星野さんに声をかけてもらわなかったら、地元のチームでやれていたか分からない。まだ恩を返せていない。今年1年頑張って、いい報告ができれば」。その思いを胸に、「77」の文字が描かれたマウンドで躍動した。

 勝ちたい思いは誰もが同じだった。だが打線は岸を援護できず。岸の後を受けた守護神・松井は、9回に2失点。「決め球が甘くなった」と肩を落とした。

 梨田監督は「本当にプレッシャーのある本拠地での開幕で、77番を背負って投げているわけで。責任は十分に果たした」とかばった。チームは3連敗となったが「最終的に勝てればいい」と岸。白星を積み重ね、13年以来の頂点に立つことが本当の恩返し。気持ちを切り替え、勝ち続けるしかない。(小島 和之)

 ◆試合前には追悼セレモニー

 試合前には、星野氏の追悼セレモニーが行われた。代表献花には楽天・三木谷オーナー、楽天・梨田監督、日本ハム・栗山監督が参列し、追悼の意を示した。さらに1分間の黙とうがささげられた後、楽天ファンで埋まった左翼スタンドからは星野コールが巻き起こった。また同球場のイーグルスドームには献花台が設置され、多くのファンが闘将との別れを惜しんだ。

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