【西武】森、豪快な今季1号 開幕5連勝立役者は“大阪桐蔭史上最高”強打者

スポーツ報知
4回無死、右越えに1号ソロ本塁打を放つ森(カメラ・佐々木 清勝)

◆西武2―1ソフトバンク(4日・メットライフドーム)

 顔の高さに来た152キロを、お構いなしにぶったたいた。ダイナミックなフォロースルーとともに、西武・森の打球は右翼席に飛んでいった。4回先頭で豪快な今季1号。初回にも高めの悪球153キロを中前へ運ぶ決勝打を放った。「パワーピッチャーに苦手意識はないので」と事もなげに言った。チームの全2打点をたたき出し、西武は15年以来の開幕5連勝。立役者は“大阪桐蔭史上最高”のミート力を誇る強打の捕手だった。

 規格外のスケールでソフトバンクをのみ込んだ。「5番・捕手」は打って走って、守り切った。3安打2打点に加え、初回には今季初盗塁。マスクをかぶると、攻撃的リードで最少得点差を死守した。「やっぱり守備の方がうれしい。ずっと課題にしてきたので」。故障に泣いた昨季は先発マスク6試合にとどまったが、今季はすでに3試合。高校時代のように「打てる捕手」として存在感を放っている。

 この日、母校の大阪桐蔭は春連覇を達成。同校OBの中村、浅村、岡田とともに決勝の結果は試合直後に知ったが、後輩たちの進撃は森の力になった。「“自分も頑張ろう”という気持ちにさせてくれた。(準決勝まで)ちょくちょくテレビで見ていて、すごく勇気づけられました」。12年に藤浪(阪神)とのバッテリーで春夏連覇。西谷監督から「ミート力、仕留める力は私が教えた選手でナンバーワン」と絶賛された打撃力を、昨季9勝16敗と苦戦した王者相手に実証した。

 捕手としての成長を見届けた辻監督は「こういう経験が彼を大きくする」と目を細め、背番号10も「次につなげたい」と自信を手に入れた。西武は3年ぶりの開幕5連勝。常勝・大阪桐蔭で育まれた規格外の捕手が、後輩たちに刺激され、母校と同様、勝ちっ放しの波に乗った。(宮脇 央介)

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