【中日】おかえり松坂…4209日ぶり先発、粘った5回3失点

スポーツ報知
巨人戦に先発し、5回3失点の力投を見せるも黒星を喫した松坂(カメラ・杉山 彰一)

◆中日2―3巨人(5日・ナゴヤドーム)

 中日・松坂が、1軍のレギュラーシーズンでは西武時代の2006年9月26日のロッテ戦(インボイス)以来、日本で4209日ぶりに先発マウンドに立った。初回、ゲレーロに先制適時打を許しながらも、3者連続三振を奪うなど5回を8安打5奪三振で3失点(自責2)と粘りの投球。負け投手にはなったが、復活の期待を抱かせる内容だった。

 4209日ぶりの真っさらなマウンド。ワインドアップの松坂は、慈しむように左足を踏み込んだ。5回を投げて毎回の8安打を浴び3失点した。それでも3連続を含む5奪三振に本拠地は沸いた。「特別な感情はなかったですね。今は勝ちにつなげられなかった悔しさしかないです」と96球の移籍後初登板を振り返った。

 1軍での登板は16年10月2日の楽天戦(コボスタ宮城)以来。ソフトバンクで唯一の公式戦登板は、中継ぎとして1イニングで5点を失った。国内のレギュラーシーズンでの先発は西武時代、06年9月26日のロッテ戦までさかのぼる。黒星も、その日以来だった。

 ツキに見放された。初回の失点は先頭・立岡をボテボテのゴロに打ち取っての二塁内野安打がきっかけ。3回の2失点も吉川尚、坂本勇と、連続で浴びたテキサス性の安打が口火で、京田の失策も絡んだ。「全体的にはそんなに悪くなかった。でも、もう少しうまく抑えて長いイニングを投げたかったですね」と唇を真一文字に結んだ。

 最速は142キロをマークした。だが、現実は15年8月に手術を受けた右肩の違和感と闘う日々だ。「何もストレスを感じない日はない。でも、投げられる状態の維持はできている」。もちろん、永田トレーナーらスタッフの献身的なケアが一助になっている。

 同トレーナーは松坂の肩について、「手術をしているので拘縮(こうしゅく=関節可動域が制限される現象)が起こりやすく、肩甲骨回りが張りやすいので、硬さを取ることを中心に据えている」と説明する。その手段のひとつが、はり治療だ。松坂も「肩だけじゃなく腰や膝も、電気ばり、置きばりの治療を受けています」と感謝している。

 プロ入り20年目はテスト入団から1軍マウンドにたどり着いた。6日に1軍登録を抹消されるが、同日からの大阪遠征に帯同する。次回登板は18日の阪神戦(ナゴヤD)以降になりそう。森監督は「(今後は)中6日で投げられるか。次のこと(ローテ入り)も考えます」と語った。06年9月19日以来の白星はお預け。それでも復活への第一歩をしるした“平成の怪物”は「次の登板につなげたい」と前を向いた。(田中 昌宏)

 ◆松坂の前回登板からの経過
 ▽16年10月2日 楽天戦で06年10月以来10年ぶりで、日本球界復帰後は初の1軍登板。8回1イニングを3安打4四死球で5失点。
 ▽17年4月12日 同15日のオリックス戦に先発予定だったが、体調不良で登板回避決定。
 ▽同11月5日 ソフトバンクの支配下登録を外れ、コーチをしながら復帰を目指す案を提示されたが、現役一本にこだわり退団。
 ▽同12月21日 中日が翌年1月下旬に入団テストを行うと表明。
 ▽18年1月23日 森監督立ち会いのもと、ナゴヤ球場屋内で入団テスト。即日合格。
 ▽同2月26日 韓国・ハンファとの練習試合(北谷)で1イニングを2奪三振で3者凡退。
 ▽同3月4日 楽天とのオープン戦で先発し2回2失点。
 ▽同14日 古巣・西武とのオープン戦で先発し3回2失点。

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