【西武】27年ぶりの開幕6連勝 黄金時代の再来だ

スポーツ報知
7回1死一塁、T―岡田(右)を一ゴロ併殺打に抑え、派手なガッツポーズで喜ぶ菊池(カメラ・上村 尚平)

◆西武5―1オリックス(6日・メットライフドーム)

 西武が黄金期の1991年以来、27年ぶりに開幕6連勝を飾った。エース・菊池が8回1失点で開幕2連勝。オリックスをわずか2安打に抑え込んだ。6連勝すべて先発投手の白星はチーム初。打線は1―1の5回に源田の適時三塁打で1点を勝ち越すと7回に炭谷の適時打、8回には山川の2ランで突き放した。過去、開幕6連勝した年は優勝2回、2、3位が1度ずつとすべてAクラス。悲願の優勝へ、心強いデータとなった。

 本拠地初登板、ここぞの場面で雄星が目の色を変えた。2点リードの8回1死走者なし。「今年初めて流れを渡したくない場面が来た。思い切って投げました」。安達を2球の変化球で追い込み、この日最速の153キロの直球で空振り三振。「勝負どころで力を入れた。(だが)去年1年間と比べても下の方」と3四球で本調子ではないながらも8回、109球を投げ2安打1失点。6奪三振で2勝目だ。

 エースとは何か―。開幕前、自分の中で答えを見つけようとした。かつて西武には西口、涌井、岸らがいた。自然と、かつての偉大な先輩たちと比較してしまう自分がいた。今季はそれを取っ払い自身が思うエースになろうと決意。「いろんな意味で信頼してもらえること。結果で示すのはもちろん、ロッカールームでの振る舞いや練習の取り組み。チームにプラスになる働きをしていきたい。それは勝ち負け以上に大事なこと」。常に周りに見られている意識を持つようにした。それが雄星が思う「エース」の姿。この日の自身ラストイニング8回に153キロを2度計測するなど、かつてのエースに引けをとらないペース配分も見せた。

 グラウンド内外でチームを引っ張る姿勢に仲間も応えた。7回無死一塁でマレーロの右翼を越えそうな打球を外崎がフェンスに顔面、右膝、両肩をぶつけながらジャンピング好捕。「(雄星が)必死にプレーしてたので。けっこう痛かったっすよ」。雄星の好投に報いようと打線も5点を奪って援護した。

 チームは雄星の生まれた年に開幕8連勝で日本一になった91年以来27年ぶり、12球団唯一の開幕6連勝で首位を独走。開幕から6試合連続で先発投手に白星がつくのは、球団史上初。辻監督は「本当に先発投手がここまで頑張ってくれている。負ける気は全くありません」と笑顔だった。

 この日は、金曜日のナイターゲーム。スタンドには元フリーアナウンサーの妻・深津瑠美さん(31)が応援に駆けつけ、米大リーグの8球団のスカウトが熱視線を送った。「重量打線が注目されるけど、ピッチャーも負けないようにやっていこうと話している」と左腕。レオ党、そしてエースにとって最高の“華金”になった。(小林 圭太)

 ◆1991年の西武 名将・森監督のもと、開幕8連勝と好スタートを切ると、5月終了時には2位・近鉄との差を7に広げるなど、勢いのままリーグを制覇した。広島との日本シリーズでは4勝3敗と競り勝ち、2年連続10度目の日本一を勝ち取った。投手は先発陣の郭、工藤、渡辺智が防御率2点台と安定していた。打者はデストラーデが、最多本塁打、最多打点の2冠。現在指揮官を務めている辻をはじめ、ベストナインには5選手が選ばれた。

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