【阪神】ドラ2高橋遥、甲子園デビュー1勝 村山実氏以来の新人先発59年ぶり

スポーツ報知
プロ初勝利を挙げた高橋遥(右)は金本監督に祝福される(カメラ・小梶 亮一)

◆阪神4―1広島(11日・甲子園)

 阪神ドラフト2位ルーキー・高橋遥が、広島戦で7回を2安打無失点の白星デビュー。球団の新人では2016年・青柳以来の初登板勝利をマークした。甲子園でデビューした新人の白星となれば、1995年の川尻哲郎(救援勝利)以来で、先発に限れば59年の村山実以来、59年ぶりの快挙となった。チームは昨年5月27日以来の首位に立った。

 高橋遥が甲子園のお立ち台に上がった。3万8000人を超える大観衆の声援を一身に浴びた。7回無失点でプロ初勝利。「思いっきり投げて、0点に抑えることができてよかった。100点あげてもいいんじゃないかと思います」。球団の新人が甲子園で初登板先発勝利を飾ったのは村山実以来、59年ぶりの快挙。誰もが認める満点デビューだ。

 この日最速147キロの直球を軸にツーシーム、スライダーを織り交ぜ、強打の広島打線を封じ込めた。散発2安打、無四球で二塁さえ踏ませなかった。「ストライクを(無理に)取りにいかなかったことが無四球につながった」。課題だった制球力もさえた。

 1月から金本監督が「潜在能力は素晴らしい。真っすぐは狙っていてもジャストミートできない」とほれ込んでいた新人左腕。ウエスタン・リーグは3試合で0勝3敗ながら、防御率2・75の内容で首脳陣に1軍登板を決断させた。金本監督は「緊張感を力に変えられる投手なのかなと思う。普通に投げたら、打たれないよ彼は」と上機嫌だった。

 亜大では、自己最速151キロの直球が荒れ球と化した。制球を克服できずに5勝止まり。悔しい4年間を過ごした。それでもこの日は無四球の快投。実は、小学時代に片りんを見せていた。小学3年から所属した静岡・西奈少年野球スポーツ少年団で指導した和田秀基さんは「外角のストライクとボールを投げ分けるくらい制球が良かった」と証言するほどだった。

 ウィニングボールは、球場に隣接する甲子園歴史館に飾られることが急きょ決まった。記録にも記憶にも残った84球。虎に新たなヒーローが誕生した。(長尾 隆広)

 ◆高橋 遥人(たかはし・はると)1995年11月7日、静岡県生まれ。22歳。西奈小3年で野球を始め、投手は小学5年から。常葉学園橘中で全国中学大会優勝。常葉学園橘高(現常葉大橘高)2年夏の甲子園に出場。3年夏は県4回戦敗退。亜大では1年秋から通算5勝。17年ドラフト2位で阪神入団。180センチ、78キロ。左投左打。年俸1200万円。独身。

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