【ロッテ】171センチ菅野、12球団新人V打一番乗り 「物干しバット」で打撃の礎

スポーツ報知
お立ち台で「マクレ」ポーズをとる逆転打の菅野(左)と今季初勝利の二木

◆ロッテ6―3西武(11日・ZOZOマリン)

 幕張の浜風に乗った。ロッテの菅野がかち上げた球は長い滞空時間を経て右翼フェンスを直撃した。「風もあったので、とにかく越えてくれてよかったです」。0―2の初回2死満塁、左翼から右翼に吹いた風速15メートルの風の“恩恵”も受けた走者一掃の逆転三塁打でチームを2度目の3連勝に導いた。12球団新人最速で勝利打点を挙げたドラ4はお立ち台で「いい気分です」とほほ笑んだ。

 171センチ、プロでは小柄な体格のハンデを、モットーであるフルスイングでカバーしてきた。その「振る力」のルーツは小学5年まで遡る。楽天・茂木、日本ハム・横尾と同じ武蔵府中リトル出身。ここで長さ1メートルの「物干しバット」で来る日も来る日も振り込んだ。「普通のバットと違って体全体を使わないと振り抜けない。腕だけじゃなくて全身で振る動作は今に生きてます」。30球×20セットのティー打撃を繰り返し、手をマメだらけにしてフォームの礎を作り上げた。

 3回2死では内角スライダーをさばき、右翼線への二塁打でプロ初のマルチ安打をマークした。「これからも走者をかえすために強い気持ちで打席に立ちたい」と菅野。ルーキーらしく、貪欲にいく。(長井 毅)

 ◆菅野 剛士(すがの・つよし)1993年5月6日、東京・府中市生まれ。24歳。武蔵府中リトルで野球を始め、東海大相模では11年センバツで優勝。明大ではリーグ新の28二塁打をマーク。日立製作所に進み、社会人日本代表入り。171センチ、83キロ。右投左打。年俸1150万円。

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