【DeNA】ドラ1東、プロ初勝利&初安打初打点「これがプロで勝つことなんだなと実感」

スポーツ報知
プロ初勝利でウィニングボールを手にラミレス監督(左)と笑顔を見せる東(カメラ・矢口 亨)

◆巨人4―6DeNA(12日・東京ドーム)

 狙い通りの外角低めへ真っすぐに伸びた。見逃し三振に仕留めると、東はほえた。2点リードの5回2死一、三塁。岡本をこの日最速タイ147キロで斬った。「点をとられたら流れが向こうに行く。今日一番、指にかかった球。自信があった」と、最大のヤマ場を抑えた。6回途中6安打3失点でプロ初勝利。チームを5連勝に導き、初めて貯金を作った。

 自慢の制球力が乱れた。初回、自らのプロ初安打初打点などで5点を先制。しかしその裏、先頭・坂本勇から連続四球。マギーに3ランを許した。「体が浮ついた。少しコンパクトにフォームを変えた」と3回以降は無四球で粘った。

 身長170センチ。小さな体に強い意志が宿る。幼い頃から同級生の中でも小さく、指導者から「もっと背が高ければプロにいけるのにな」と言われ続けた。「原点は反骨心。絶対プロに入ってやろう」と胸に秘めた。父・直史さん(50)は「小学生の時、球場で一番高いところにあるマウンドは誰にも譲らないと言っていた」と生まれながらの負けん気で成長した。

 カルシウムを多く含んだ食事などで努力したが父・直史さんが172センチ、母・由紀さんも155センチで「遺伝です。あきらめました」と小さいなりの投球を模索。167センチ左腕のヤクルト・石川を徹底的に研究。本を購入してスクリューの握りを学んだ。開幕2戦目の相手先発だった石川を見て「やっぱりあの投球だ」と心に刻み込んだ。「これがプロで勝つことなんだなと実感しました。でも(内容は)0点。あと何勝するかがチームの順位にかかわってくる」。報われた努力を続け、東が小さな大投手を目指す。(岸 慎也)

 ◆東克樹(あずま・かつき)アラカルト

 ★生まれとサイズ 1995年11月29日、三重・四日市市生まれ。22歳。170センチ、76キロ。左投左打。

 ★球歴 中学時代は野茂英雄氏が総監督を務める「NOMOジャパン」に選ばれ米国遠征も経験。愛工大名電では甲子園に春夏通算3度出場。立命大では2度の無安打無得点を記録するなど関西学生リーグ通算19勝。2017年ドラフト1位でDeNA入団。年俸1500万円。

 ★球種 MAX152キロの直球にカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップ。

 ★好きな芸能人 土屋太鳳。1月の入寮の際にサインを持ち込んだほど。

 ★グラブ 手のひらが触る部分に金色の「うんちマーク」と白の「星」を刺しゅう。金運アップと白星を願ってのもの。

 ★マイワールド キャンプ初日はブルペン入りの予定がなかったが、午後に急きょ志願。周囲を驚かせた。キャンプのブルペンでは捕手の後ろのネット裏にずらりと並ぶ球界OBに恐縮。制球を乱し「何回やっても慣れない。試合を見てください」と苦笑い。

 ★目標とする投手 ヤクルト・石川雅規。

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