【楽天】2年目・右腕、池田プロ初勝利 高校・大学でソフトバンク田中正義と同期

スポーツ報知
プロ初勝利を挙げた池田(左)は、梨田監督の祝福に笑顔を見せた(カメラ・頓所 美代子)

◆楽天12―6西武(15日・楽天生命パーク)

 楽天の2年目右腕・池田が、3度目の先発で念願のプロ初勝利を挙げた。昨年はけがで1軍昇格を2度も逃し、ようやくデビューした今季も連敗スタート。勝ち運に見放されていた男に、この日は味方打線が初回から8点をプレゼント。大量援護を追い風に、7回途中5失点で白星をつかんだ。

 最後は山川にライナーで左中間に3ランを叩き込まれて降板。ちょっぴり後味は悪かったが、勝利の喜びに変わりはない。初体験のお立ち台。池田は「両親に贈ります」と、うれしそうにウィニングボールを掲げた。

 「勝つことって大変なんだなって思いました」。初白星までの長い道のりを振り返るように、しみじみと口にした。高校3年の夏に右膝前十字じん帯を断裂して手術。大学でも下級生時代はリハビリに明け暮れた。4年生になって頭角を現し、夢だったプロに。しかし、1年目は5月と8月に1軍昇格が内定しながら、いずれも直前に足を痛めてデビューを棒に振った。

 開幕ローテに食い込んだ2年目も連敗スタート。8日のソフトバンク戦(楽天生命)では6回1失点と好投しながら、味方の援護がなく敗れた。

 そんな苦労と不運を吹き飛ばすように、3度目の先発マウンドでは強力な追い風が吹いた。初回にいきなり8点の援護射撃。それでも気を緩めなかった。「点差は関係なく、目の前の一人一人を抑えることだけを意識した」と、威力のある直球に大小2種類のスライダーとカーブをテンポよくコーナーに散らした。

 高校、大学の同級生だったソフトバンク・田中も、1年目は故障に苦しみファーム暮らし。今年2月には宮崎での練習試合で同宿となり、部屋を訪ねて語り合った。話題は野球ではなく、将来のセカンドライフ。「農業とかいいかもね」。2年目の奮起を熱く誓い合うよりも、リラックスしたやりとりがキャンプの疲れを癒やしてくれた。

 開幕1軍入りを果たした盟友よりも先につかんだ初勝利。だが、喜びに浸っている余裕はない。「これからもしっかりした投球を続けることが(首脳陣の)信頼や信用につながると思っています」と、引き締まった表情で次戦を見据えた。

 ◆池田 隆英(いけだ・たかひで)1994年10月1日、佐賀・唐津市生まれ。23歳。小4から野球を始め、創価高では1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号1。しかし、3年夏に右膝前十字じん帯を断裂。創価大では3年まで未勝利も4年時に7勝。2016年ドラフト2位で楽天入り。181センチ・85キロ。右投右打。今季年俸は1200万円。

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