【オリックス】マレーロ、神足生還「とっさの判断」

スポーツ報知
5回2死二、三塁、若月の2点打で二塁走者・マレーロ(左)が捕手・清水のタッチをかわして生還(カメラ・豊田 秀一)

◆オリックス7―0日本ハム(15日・ほっともっと神戸)

 昨季、来日1号を踏み忘れでフイにしたオリックスのクリス・マレーロ内野手(29)が15日、日本ハム戦(ほっと神戸)で神走塁を披露した。くしくもこの日は、米大リーグ・Dバックスに所属するいとこのデビン・マレーロ内野手(27)が走者追い抜きで本塁打を取り消される珍事。お騒がせ助っ人が自身といとこの汚名返上となるホームインで、チームを大勝に導いた。

 神の左足でもぎ取った。5回2死二、三塁。二塁走者のマレーロは、若月の右前適時打で本塁へ敢然と突入した。右翼手からの送球はアウトのタイミング。それでも左足から滑り込むと、足を浮かせて相手のタッチをまたぎ、ベースを踏んだ。「何とかしてタッチしようと思った。とっさの判断だった」。日本ハム・栗山監督がリクエストするも、判定は覆らなかった。

 またも話題を独占だ。昨季6月9日の中日戦(京セラD)で逆転弾を放ちながら、本塁踏み忘れで取り消される珍デビュー。かと思えば、9月29日のロッテ戦(ZOZO)ではプロ野球通算10万号を放った。マレーロの激走で2点をたたき出した若月は「きょうはしっかり踏んでくれましたね」と感謝。三塁コーチャーの風岡内野守備走塁コーチは「神足だったね!」と絶賛した。

 海の向こうではこの日、いとこのデビンが一塁走者を追い越し、3ランを取り消された。報道陣に指摘されたマレーロは「試合前に見たよ。電話が来たけど、出られなかったんだ」とニヤリ。親族で重ねた失態にも、全くへこたれていなかった。

 現在、5本塁打でリーグトップタイのマレ砲。打率は2割だが、5回にバットをへし折りながら左中間二塁打を放つなど復調の気配を見せている。チームも波に乗り、今季最多タイの10安打で7得点。神走塁には「自分でもどうやってやったか分からない」と笑ったが、チームの空気を変えたことは確かだ。(原島 海)

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