【西武】辻監督「まさか」0―8から8&9回で史上初のミラクル大逆転!

スポーツ報知
9回無死満塁、サヨナラ安打を放ち、山川(右)らナインから手荒い祝福を受ける森(右から2人目=カメラ・池内 雅彦)

◆西武9x―8日本ハム(18日・メットライフドーム)

 西武が8点差を逆転してサヨナラ勝ちを収め、首位をがっちりキープした。0―8の8回に2つの押し出し四球や外崎の2点二塁打、栗山の2点適時打などで7点を奪い、9回無死満塁から森が2点二塁打で試合を決めた。史上初めて8点差以上を8、9回でひっくり返すミラクル劇を演じた。

 これが首位を快走する獅子軍団の強さなのか。目の前でまな弟子たちが起こしたサヨナラ劇を、辻監督は夢見心地で見つめた。「僕もいいものを見せてもらいました。『まさか』というのが一番です」。8回表まで0―8という絶望的状況から、8、9回の2イニングで9点を奪うミラクル。今季初のサヨナラ勝ちだ。

 6回までは0―1の接戦も、7回に4点、8回にはダメ押し級の3点を奪われた。スタメンマスクの森が「途中は負けちゃうかなと思った」と振り返る展開。だが、獅子たちの逆襲はここからだった。まずは8回だ。日本ハム投手陣の3四球の乱調にもつけ込み、打者11人で5安打を集め一挙7得点。1点差に詰め寄ると、レオ党の大歓声が選手をさらに後押しした。

 そして9回。大逆転劇を締めくくったのは森だ。無死満塁で打席に立つと、1ボールから低めの直球をすくい上げた。舞い上がった白球が、右中間最深部で弾む。「なんとか抜けてくれ、という気持ち。ホッとしました」。自身2年ぶり、2度目のサヨナラ二塁打でもみくちゃにされたヒーローは「最終回は絶対に逆転できる空気があった。皆さんがチャンスをつくってくれたので、結果が出せてよかった」。辻監督は「彼(森)はそういう勝負強さを持っている。8点差はしんどいと思ったが、この1勝は非常に大きい」と目を細めた。

 最大8点差以上の逆転勝ちは、02年8月16日の近鉄戦(西武D)で9点差を逆転して以来、16年ぶりだ。貯金を8とし2位・ソフトバンクと2ゲーム差をキープ。大歓声が注がれたお立ち台で、森は宣言した。「これを機に、どんどん勢いに乗っていきたいです!」。16年前も弾みをつけてリーグ制覇を果たした。激勝で所沢の夜を熱くさせた西武特急。その勢いは、まだまだ止まりそうにない。(小島 和之)

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