【オリックス】西、258日ぶり1勝「勝ちという喜びを久々に体感」自身の開幕連敗3でストップ

スポーツ報知
今季初勝利を挙げた西(左から2人目)は、最後を抑えた増井からウィニングボールを渡され笑顔を見せた(カメラ・佐々木 清勝)

◆楽天1―3オリックス(21日・楽天生命パーク)

 258日ぶりの白星。勝利の瞬間、ベンチを出た西は満面の笑みで喜んだ。8回を散発3安打の無失点で、自身の開幕連敗を3で止める今季初勝利。「うれしいです。勝ちという喜びを久々に体感できた」。遠ざかっていた勝利を手にし、率直な思いを口にした。

 今季登板した3試合で計2点だった打線が、4回までに3点。援護を受け、西も4回から一気にギアを上げた。「後半からスピードも上がった。その緩急も良かったんじゃないか」。4回以降は楽天打線に二塁すら踏ませない盤石の内容。8回107球で完封も見えたが「監督、コーチが決めたこと。チームが勝てたことが良かった」とこだわらず降板した。

 苦しい日々を乗り越えた。昨季は8月22日の日本ハム戦で打球を受け、左手を骨折。残りのシーズンを棒に振った。復活を探る今季、福良監督はあえて開幕投手に指名。金子に代わるエースの自覚を促すため、「去年あれだけ悔しい思いをしただろうし、気持ちは強いと思う」と大役を任せた。しかし、西は好投を続けながらも開幕から3連敗。指揮官はローテを再編し、4戦目で初めてカード2戦目に登板させる配慮もみせた。西は連敗中も「気負いすぎないように」と冷静さを失わず温情に応えた。

 西の勝利に指揮官は「良かったですね、勝ちがついて。素晴らしい投球だった」とたたえた。ヒーローインタビューで西が「非常に大きな1勝だと思います」とかみ締めたように、チームにとっても逆襲へ弾みがつく1勝だった。(原島 海)

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