【ソフトバンク】サイクル安打達成の柳田…自身を「ゴミ」過小すぎるほど辛口自己評価

スポーツ報知
1回2死、右中間に先制4号ソロを放った柳田

◆日本ハム0―10ソフトバンク(21日・札幌ドーム)

 ソフトバンクの柳田が、日本ハム戦でプロ野球史上70度目(65人)、パ・リーグ33度目(32人)のサイクル安打を達成した。プロ野球では2016年7月の福留孝介(阪神)以来、パ・リーグでは07年9月のズレータ(ロッテ)以来11年ぶりだ。14年9月以来の1試合5安打で4打点を記録し、チームの連敗も2で止めて、首位・西武との3・5ゲーム差をキープした。15年のトリプルスリーに続いて、また球史に名を残した規格外のスラッガーの素顔を、ソフトバンク担当の戸田和彦記者が紹介する。

 代名詞の豪快なフルスイングとは対照的に、柳田の自己評価は過小すぎるほど辛口だ。メジャーで活躍する大谷や同じくトリプルスリーを達成したヤクルト・山田らを素直に「天才」と認め、自身のことは「ゴミ」「カス」とくさす。謙虚で真摯(しんし)に野球に向き合うことができるから、日本を代表するプレーヤーに成長できたと感じる。

 その根本には、ルーキーイヤーの衝撃がある。広島経大から10年ドラフト2位で入団したが、当時は全国的には無名。恵まれた体格を持っていたが、プロとの体力、技術の差を痛感した。「1、2年でクビになると思っていた」は本音。だからこそ、どんな好成績を残してもおごることはない。

 今年10月で30歳。「人間のピークは大学生ぐらいだと思う。30歳はもうおっさん」と独特の感性を持つ。だが「おっさん」とは思えない俊足を生かし、三塁打で決めたサイクル安打には、さらなる可能性を感じる。自身に厳しい男は今春キャンプ中、ふと漏らした。「今年はホームランをめっちゃ打てそうな気がする」。柳田の2年目、12年から取材している記者としては、日本人初の「フォーティーフォーティー」(40本塁打、40盗塁)や3冠王も夢ではないと言いたい。(ソフトバンク担当・戸田 和彦)

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