【楽天】オコエ痛恨落球で4月に借金10…創設1、2年目以来

スポーツ報知
3回2死一塁、井上の飛球を中堅・オコエ(右)がエラーし決勝点を献上(左は島井=カメラ・佐々木 清勝)

◆楽天0―1ロッテ(26日・楽天生命パーク)

 歓声は一瞬にして悲鳴に変わった。オコエのグラブをかすめたボールは、無情にも先制点を献上する痛恨の失策となった。試合の明暗を分けるミスにオコエは「けがしてでもいくくらい、いかなければと思う」とうなだれた。

 両軍無得点の3回2死一塁。井上の打球は力なく左中間に飛んだ。左翼手・島井、中堅・オコエは落下地点に入り、一瞬お互いが接触を恐れてちゅうちょしたことが命取りとなった。最終的にオコエが捕球体勢に入ったが譲り合った分、数センチ届かなかった。梨田監督も「ぶつかってけがをしてでも捕る執念が欲しかった」と結果的に決勝点となったプレーを厳しく指摘した。

 4連敗で23試合を終え、6勝16敗1分けで今季最多の借金10。21日オリックス戦(楽天生命)から3試合連続挟殺プレーのミスが続き、この試合でも「守乱」が勝負を分けた。4月中の借金10は、球団創設1、2年目の05、06年に20試合目で到達した時以来の早さだ。唯一のチャンスだった5回無死三塁でもオコエが3球三振、嶋のスクイズも失敗。涌井の前に2安打完封負けを喫し、先発・辛島の7回1失点(自責0)の好投も水の泡だ。

 則本、岸、藤平、辛島を中心とした先発陣は安定し、チーム防御率3・57はリーグトップで5点差以上の負けは1試合のみと、あと一歩の試合が続く。その中で梨田監督ももちろん危機感を抱いている。雨天中止になった24日にナインを集めてミーティングを行った。「まだこれからと言っていても、ちりも積もれば大きくなる。挽回するには連勝していくしかない。みんな状態を上げていこう」。就任3年目となった指揮官の必死の訴えだったが、トンネルは長い。(安藤 宏太)

 ◆球団創設1、2年目の楽天
 ▽2005年 04年の球界再編でオリックスと近鉄が合併。両チームからの分配ドラフトなどで50年ぶり新規参入となるチームが発足した。田尾安志監督がチームを率い、開幕戦はエース・岩隈の完投でロッテに勝ったが、翌日の2戦目は0―26の歴史的大敗。4月中旬から11連敗を喫すると、4月終了時点で6勝23敗。その後も戦力の差は明らかで38勝97敗1分けの借金59、5位日本ハムとは25ゲーム、レギュラーシーズン1位ソフトバンクとは51・5ゲームを離されるダントツの最下位に沈んだ。
 ▽06年 野村克也監督が就任。開幕10戦で1勝のみと出遅れると、47勝85敗4分けで借金38。リック、高須ら3割打者が4人いたが、岩隈が右肩痛の影響で1勝に終わったことが痛かった。5位オリックスとは4・5ゲーム差、1位日本ハムとは33ゲーム差だった。

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