【オリックス】近鉄ユニホーム着た西が「いてまえ魂」で7回1失点粘投

スポーツ報知
2勝目を挙げた西(左から2人目)は増井からウィニングボールを受け取り笑顔を見せた(カメラ・小梶 亮一)

◆オリックス3―1ソフトバンク(28日・京セラドーム大阪)

 オリックスが、西の粘りの投球で開幕から続いたカード初戦の連敗を8で止めた。初回に打球を左手首に受けながら7回を4安打1失点で2勝目。オリックスが近鉄、ソフトバンクが南海の復刻ユニホームを着用した「KANSAI CLASSIC2018」の初戦を制し、チームの連敗も3で止めた。

 西は苦い記憶を「いてまえ魂」で振り払った。初回2死一塁。内川の打球が左手首を直撃すると、思わず声を上げた。「痛かったですけど、連敗しているなか、たくさんのお客さんの前でぶざまなマネはできない」。気力を振り絞ってマウンドに立ち、7回を4安打1失点。2勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。

 昨年8月22日の日本ハム戦(ほっと神戸)で松本の打球を受けて左手首を骨折し、残るシーズンを棒に振った。その時と全く同じ箇所だった。「大丈夫です。不安はよぎりましたけど、打撲ぐらいかな。何とか指も動いた。骨折して骨が強くなったんですかね!」。7回に松田の投ゴロを処理した際には右太もも裏をひねったが、イニング終わりまで投げ抜いた。

 チームは開幕から続いたカード初戦の連敗を8で止めた。すでに球団ワースト記録だったが、この日、復刻ユニホームを着用した近鉄バファローズの前身のパールスは1958年に同17連敗を喫していた。そんな因縁も振り払い、福良監督は「粘りの投球。西の持ち味が出たと思う。なかなか(カード)頭を取れていなかったですからね」と安どの笑みを浮かべた。

 西は防御率2・06の安定感を誇るなか、勝ち運に恵まれなかったが、ようやく連勝を飾った。次回は5月4日のソフトバンク戦(ヤフオクD)で再びタカ狩りに臨む。「またホークスと当たるんで、次に向けて頑張りたい。やっと本拠地のお立ち台に立つことができてうれしいです」。今季初めて開幕を任されたエースに、自覚と風格が漂ってきた。(表 洋介)

 ◆「KANSAI CLASSIC2018」 オリックスはこの日からのソフトバンク3連戦(京セラD)で近鉄バファローズが1978年から96年まで身にまとったビジターユニホームを着用。5月1日からの西武3連戦(京セラD)では阪急ブレーブスが85年から88年に使用したビジターモデルを着る。相手球団も復刻モデルで戦う。球団関係者は「こういう企画の初戦に勝ててよかった」と笑顔。13年にソフトバンク戦で「OSAKA CLASSIC」としてスタート(16年は開催せず)し、17年は「KANSAI CLASSIC」として日本ハム戦でも実施された。

 ◆近鉄球団 2リーグ分立の1950年に近鉄パールスが創設。藤井寺を本拠地とし、関根潤三らが在籍。“猛牛”千葉茂が監督に就任した59年にバファロー、62年にバファローズと改称。79年に西本幸雄監督のもとで初のリーグ優勝で、80年もV。88年は川崎での“10・19ダブルヘッダー”でV逸。翌年は西武とのダブルヘッダーでブライアントが4打席連続本塁打を放って3度目のリーグ優勝。97年に大阪ドームに本拠地移転。99年に大阪近鉄に改称。2001年は北川博敏の代打逆転満塁サヨナラ本塁打で優勝決定。04年シーズン後にオリックスに球団統合された。日本一に一度もなれなかった。

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