【日本ハム】清宮「ゴジラ1号記念日」に松井超え弾デビューだ

スポーツ報知
札幌市内の寮に到着した清宮は、気合の入った表情で道具を運び込んだ(代表撮影)

 進めゴジラロード―。日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)が1日、2日の楽天戦(札幌D)での1軍デビューへ向けて空路で札幌入りした。スタメンデビューする5月2日は、1993年に巨人1年目の松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)がプロ1号を放った日とあって「もちろん打ちたい」と初アーチに意欲。高校通算111発を放った怪物スラッガーが、豪快な一発で伝説の幕を開ける。

 運命なのかもしれない。日米通算507本塁打の大打者との縁に、清宮の表情が驚きに変わった。札幌市内の球団寮前で行われた取材の終盤。自身のスタメンデビューとなる5月2日は、25年前に松井氏がプロ1号を放った日だと知った。その上で力強く答えた。

 「もちろん(本塁打を)打ちたい気持ちはあります。でも、そこだけにこだわっているわけではないので、チームの勝利に貢献できるような働きができればと思います」

 1軍デビューを目前に自然と胸が高鳴った。前日4月30日の試合後、千葉・鎌ケ谷の「勇翔寮」に向かうバスの中で昇格を聞いた。「急だったのでビックリ。こんなに早いと思っていなかった」と初々しい表情を見せたかと思えば、「体だったりの準備はできていたので、『やってやるぞ』という気持ちはあります」。瞳の奥に闘志が宿っていた。

 大きな期待を背負っての抜てきだ。打率トップを快走していた近藤が、右ふくらはぎ筋挫傷で離脱。栗山監督は、2軍戦15試合で打率2割2分ながら、チームトップの4本塁打を放った清宮に起爆剤としての役割を期待する。2日は6、7番の打順で一塁に入ることが濃厚。取材後には室内練習場でロングティーを行い、「チームの調子がいい中で、自分が止めたくない。うまく流れに乗っていければ」と自覚を口にした。

 球団もデビュー戦を盛り上げる。この日、清宮がデビューした試合で来場者全員に「観戦証明書」をプレゼントすると発表。過去には大谷、有原らチームの主力級に行われてきた“演出”で怪物の門出をバックアップする。

 松井氏は1年目のオープン戦で53打数5安打、打率0割9分4厘。20三振は12球団最多で開幕2軍となった。だが、2軍戦12試合で打率3割7分5厘、4本塁打と打ちまくり1軍昇格をつかんだ。清宮も腹膜炎による入院や練習試合、オープン戦を含めて30打席無安打などの壁を乗り越え、結果を残して本拠地に立つ。

 「ずっとこっちでやりたい。全力でやるだけ」と清宮。怪物の伝説が北の大地で動き出す。(小島 和之)

 ◆清宮に聞く

 ―初1軍への意気込み。

 「結果を出さなきゃいけないという気持ちです」

 ―2軍での手応えは。

 「安打が出ない時期が続いたけど、出てからはなんとなくつかんだ感じもありました。本塁打も出るようになって自信もついてきた」

 ―体の状態は。

 「全く問題ないです」

 ―札幌Dで本塁打を打つイメージは。

 「まだ札幌Dでは打ってないですし、北海道の方たちの前で打つというのは違った意味があると思う。ここで打つ本塁打は特別な一本だと捉えています」

 ―デビュー戦は緊張しそうか。

 「楽しんでやりたい」

 ―プロ初打席へ向けて。

 「いつも通りいきたい」

 ―楽天・岸の印象。

 「どれをとっても一級品ですし、日本を代表する投手であることは間違いない。対戦を楽しんでできれば」

 【VTR】開幕を2軍で迎えた高卒1年目の松井は、5月1日のヤクルト戦(東京D)に「7番・左翼」で先発出場し、1軍デビュー。その日に西村龍次からプロ初安打となる二塁打を放ち、初打点もマークした。翌2日もスタメンで出場。3打席無安打で迎えた、3点を追うプロ7打席目。9回2死一塁でカウント2ボール1ストライクから、高津臣吾の133キロ直球を右翼席中段に運んだ。プロ1年目の成績は57試合に出場し、打率2割2分3厘、11本塁打、27打点。

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