【日本ハム】清水がプロ初満塁弾 打率1割台不振脱却へ中田&大田の付きっきり指導実る

スポーツ報知
7回1死満塁、清水が中越えに逆転の5号満塁本塁打を放つ

◆日本ハム4―1楽天(3日・札幌ドーム)

 若き女房役が大仕事をやってのけた。日本ハムの清水優心捕手(21)が、1点を追う7回に、プロ初のグランドスラムを放ち逆転。連敗を3で止め、先発・高梨裕稔投手(26)に今季2勝目をつける値千金の一発となった。打率1割8分5厘と苦しむ21歳が放った自己最多を更新する5号アーチがチームを救った。

 スタンドインを確信した清水は、右腕を高々と掲げ雄たけびをあげた。プロ初の逆転満塁弾。放物線を描いた打球はバックスクリーンに飛び込んだ。「(外野の)頭は越えるなと思ったけど、一番良い形になった」。興奮冷めやらぬまま戻ったベンチ。中田や大田ら先輩たちからの、手荒いハイタッチの祝福で喜びは倍増した。

 ベンチの期待に応えた。7回1死満塁。「いつもならあそこで代打を送られるので、ベンチの方をちらちら見ていた」。試合前まで打率1割7分6厘。3試合無安打の8番打者を栗山英樹監督(57)はそのまま打席に送った。「優心だけは動かす気はなかった」と指揮官。アイコンタクトで信頼を感じ発奮した。リラックスした構えから、楽天先発・辛島の外角132キロの直球を振り切った。打球は劇的な満塁弾。最高の結果で応えた。

 不振脱出のヒントは、先輩がくれた。2日の試合前。早出でのロングティー中、中田と大田から付きっきりで指導を受けた。「調子が悪い時ほどゆったりとタイミングを取った方がいい」と伝えられ、ハッとした。結果が出ない中、自分での漠然と感じていた感覚に気づくことができた。「“大将”(中田)と泰示さんに教えてもらったことを意識してやりたい」。2日に即、結果は出なかったが、素直な向上心が殊勲の一打につながった。

 今季10安打中、5本塁打。パンチ力を兼ね備えた女房役として成長中だ。「そういうバッターはいらないと思うので。もっとチームバッティングができるように頑張りたい」。お立ち台で自虐的に語る21歳からは、覚醒の予感が漂う。(秦 雄太郎)

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