【ヤクルト】青木、歴代1位通算打率3割2分7厘!レロン・リー超え

スポーツ報知

◆ヤクルト7x―6中日=延長10回=(3日・神宮)

 勝利への執念を乗せた打球が、中堅左へ抜けた。7回に2点差に迫り、2死走者なし。青木が通算4000打数目で放った一打が、直後のバレンティンの同点2ランを呼び、延長10回の荒木のサヨナラ打につながった。全員でつかみ取った11日ぶりの勝利。連敗を6で止め「良かったよ~。マジで良かった」と笑顔がはじけた。

 暫定とはいえ、80年を超えるプロ野球で堂々の“首位打者”だ。通算打率の対象となる4000打数に到達し、打率3割2分7厘でトップだったリーを上回った。「毎年、3割を目指してやってきた。現役を終わった時にそうなって(1位で)いればいいけど」。もちろん、これも通過点でしかない。

 03年ドラフト4位で入団。スタイルに固執した結果、1年目のオープン戦は12打数無安打。出場も10試合どまりだったが、最初の挫折がこだわりのフォームを変えるきっかけになり、若松元監督らの指導のもと、2度のシーズン200安打など栄光の原点でもある。今や打席ごとにバットの種類、角度、ステップ、左手袋の有無などアプローチを変え、最善を探求。休日であっても、納得するまで練習に取り組む姿勢は変わらない。

 昨季までの6年でメジャー7球団を渡り歩き、人間も変わった。事あるごとにミーティングで発言。5連敗した4月21日のDeNA戦後も「やるべきことをやっていこう」とシンプルに鼓舞した。打率2割5分7厘と苦しみながら、精神的にもチームのリーディングヒッター。「今日勝ちきったのは大きいよ」。記録よりも、この日の1勝が心からうれしかった。(田島 正登)

 ヤクルト杉村巡回コーチ(青木入団時の1軍打撃コーチ)「入団した時からバットコントロールはうまかったし、逆方向に強い打球を打てた。今の野球は積極的に打ちにいって、追い込まれたら逆方向に強いゴロを打つけど、10年以上前から青木は目指す野球をやっていた。本当にひたむきに練習するし、体も若い。俺も誇りに思うよ。尊敬するし、コーチ冥利に尽きる。体が続く限り、頑張ってほしい」

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