【西武】秋山、球団タイ8戦連続マルチ「たまたまです」

スポーツ報知
試合後、こいのぼりを手に笑顔を見せる秋山(カメラ・川口 浩)

◆楽天4―10西武(5日・楽天生命パーク)

 鋭い打球は一瞬で、右翼ポール際のテラス席に飛び込んだ。秋山はベンチに戻ると喜びを爆発させ、仲間とハイタッチを交わした。

 「もう一回、塁に出ようと思った。たまたまホームランになっただけです」。4点リードの5回1死。久保の内角低めスライダーを捉えた。2戦連発の4号ソロ。1点先制した直後の2回1死満塁では「ケースに応じて点になるバッティングを意識した」と二ゴロで追加点をたたき出した。3回には遊撃内野安打を放ち、5打数2安打2打点。8試合連続マルチ安打を記録し、94年の佐々木誠(現鹿児島城西高監督)以来となる、球団記録タイ記録となった。

 ここまで29試合で44安打。15年に自身が達成した日本記録216安打を超える217安打ペースで進んでいる。今季4発は全て敵地・楽天生命パークの楽天戦で放っており、イヌワシキラーぶりも際立つ。それでも記録に関しては「特別に意識していないですし、明日また、丁寧に入りたい」と言い切った。

 グラウンドの内外問わず、日常の積み重ねが結果に結びついている。グラウンドに落ちている小さなゴミを拾う。本拠地開幕戦の試合前には、メットライフDの球場整備員に「今年もよろしくお願いします」とあいさつをする。毎年、一人親の子供を球場に招待し続けている。「何も特別なことではないと思います」と言うが、さりげない行動が野球の神様に愛されている。

 秋山を筆頭に、今季2度目の先発全員安打で今季最多の16安打と打線が爆発。エース・則本には3戦3勝で、貯金を最多の15に伸ばした。本拠地では小学生以下の子供にグラブを配るなど、秋山も野球の競技人口増加へ活動を続けている。「どの球団も協力して、野球を普及させようと活動をしている。元気に遊んで野球を好きになってもらいたい」と背番号55。スタンドにいるちびっ子たちの視線は、秋山翔吾に注がれていた。(小林 圭太)

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