【日本ハム】清宮、2軍の37日で学んだプロの「いろは」…荒木大輔2軍監督語る

スポーツ報知
ホームランボールを手にする清宮

◆オリックス2―8日本ハム(9日・京セラドーム大阪)

 日本ハム・清宮が、プロ初本塁打を放った。デビューから7試合連続安打という結果の裏には、2軍で過ごした“準備期間”が大きく関わっていた。怪物が大きく羽ばたくために過ごした日々の成長を、荒木大輔2軍監督(54)が語った。

 デビューから7試合。怪物級の活躍を見せている清宮だが、腹膜炎による入院などで出遅れ、今月2日の昇格まで2軍で37日間を過ごした。日々、求められたのは「打席では毎球サインを確認する」「試合前の流れを頭に入れる」など、プロでは当然のことの徹底だ。だが荒木監督はその時間こそ、大切だったと説明する。

 「例えば最初から何もなく(1軍で)試合に出て、打席で『サインを見なきゃ』『何をしなきゃいけない』と考えていたら、打撃に100%で入れない。得意な打撃で100持っているはずのものが、60や70しか出なかったかもしれない」

 1軍では、一つのミスが負けに直結する。だからこそ、荒木監督をはじめとする2軍首脳陣は、1軍で必要となる基礎の部分を徹底的に教え込んだ。2軍合流当初は着替えや水分補給のタイミングが分からず「みんなが(次のメニューの)準備しているのに、まだ水を飲んでいるとか。それがスタートだった」という。

 そんな状況から、清宮は地道にプロの「いろは」を吸収していった。最初はバタバタだった試合前の準備も、2軍で結果を残す頃には「次への準備が整ってから、次のメニューに移れるようになってきた。そういう“間”を取れるようになった」。少しの遠回りを経て、昇格への準備が整った。

 「ここ(2軍)でいろいろなことをやる期間が、彼にとっては大事だった。病気をして良かったということはないけど、そういう期間を取れたことがすごくよかった」。清宮が放ったプロ1号は、多くの人に支えられて生まれた。(日本ハム担当・小島 和之)

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