【広島】大瀬良、トップタイ5勝 リーグ最速の貯金10

スポーツ報知
阪神に勝利してリーグ最速の貯金10。大瀬良(中央)ら広島ナインは笑顔でハイタッチする(カメラ・義村 治子)

◆広島6―1阪神(12日・マツダスタジアム)

 無我夢中で振り抜いた。両軍無得点で迎えた2回1死満塁。絶好機で打席に入った大瀬良は、高めのボール球を右翼線へはじき返した。決勝の2点適時打は、入団1年目の2014年4月24日のヤクルト戦以来、約4年ぶりのタイムリー。お立ち台に上がり、「いつ以来? 覚えてないです。三振してもいいつもりで、1、2の3で打ちました」と笑顔をはじけさせた。

 右腕にはめていた打撃用手袋は、右もも裏を痛めて離脱中の丸が使っていたもの。登板した4月22日の中日戦で手袋を忘れた際に丸から譲り受け、その後の試合でも愛用している。「美談にするのは…。ただ、早く帰ってきてほしいと思います」。リハビリ中の仲間を思う気持ちが、値千金の先制打につながった。

 本業のピッチングも光った。持ち味の剛球ではなく、カットボールなどの変化球主体で9三振を奪った。7回5安打1失点で3連勝とし、阪神・メッセンジャーに並ぶリーグトップタイの5勝目。チームは貯金を今季初の10とした。35試合目での到達はリーグ連覇の最近2年を上回るスピードで、22試合目で到達した14年に次ぐ球団史上5番目の早さ。4年前の到達日も、偶然にも大瀬良が最後に適時打を放ったヤクルト戦だった。

 開幕投手を務めた野村を背中の負傷で欠くなか、投打にわたる活躍でチームを連勝へと導いた大瀬良。「祐輔さんがいないのは痛手ですけど、アピールするチャンス。信頼を得られる投球を続けるのが大事」と語る表情には、右のエースを担う責任感がにじみ出ていた。(種村 亮)

 ◆広島の貯金10 昨年は5月28日の巨人戦(東京D)、開幕から49試合目での到達だった。16年は開幕70試合目となる6月18日のオリックス戦(マツダ)で到達しており、今季は過去2年を上回る早さとなった。球団史上最速は1984年の12試合目(4月21日のヤクルト戦)。同年は4月に球団記録となる12連勝を達成し、最終成績は75勝45敗10分けの貯金30。4年ぶりリーグ制覇と日本一に輝いている。

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