【楽天】今江、天国の母にささげる猛打賞「パワーくれた」

◆オリックス1―9楽天(13日・京セラドーム大阪)
楽天打線が母の日に今季最多タイの15安打を放ってオリックスを圧倒し、今季初の4連勝と同一カード3連勝を飾った。今江は天国の母に向け、適時打を含む今季3度目の猛打賞をマーク。内田も今季初安打初本塁打で、女手一つで育ててくれた母に恩返しした。5月に限れば5勝4敗で貯金1。反撃態勢が整ってきた。
母への感謝の念を、バットに込めた。1点リードの5回1死三塁。今江が初球をはじき返した。「天国にいる母のために、チャンスで1本打ててよかったです」。母の日にささげる中前適時打で、貴重な追加点を叩き出した。
母・寿美子さん(享年50)を09年2月にがんで亡くした。「大切な存在で、小さい頃からサポートしてくれた。天国からパワーをくれて、打たせてくれた」。4月30日以来、今季4試合目の3番に入ると、初回1死一塁で左前に落とし、先取点を呼び込んだ。7回には右前安打と広角に打ち分け、今季3度目の猛打賞。5試合連続安打で、5月は28打数13安打で打率4割6分4厘。34歳のベテランが打線を活気づけた。
常総学院高からプロ入り5年目の内田も続いた。4点リードの8回先頭で左翼席に運んだ。今季18打席目での初安打が2年ぶり、通算3本目の1号ソロで「ほっとした」。9回には左前適時打を放ち、マルチ安打も2年ぶり。開幕戦の「6番・一塁」から不振で2軍落ちしたが、5日に再昇格後、4試合ぶりのスタメン起用に応えた。小学5年で父・道義さんが他界してから、母・敬子さん(54)に女手一つで支えられ、「今まで何もしてあげてない。本当によかった」とはにかんだ。
チームは今季対先発左腕の試合で5敗1分けだったが、今季最多タイの15安打で9点を挙げて初白星。梨田監督は「打線が何とかつながってきてくれた。連勝していかないと、(借金を)返済できない。いい勝ち方ができた」とうなずいた。借金12を抱え最下位にいるが、5月だけなら5勝4敗で2位。母の愛を受けて、月間では貯金に転じた。(山崎 智)